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  第45回

  世界の注目と期待を集めるミャンマーの市場(前編)

                              浜田和幸

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 ミャンマーの未来に世界の関心が集まっている。「アジア最後のフロンティア」と呼ばれるミャンマーでは2011年から当時のテン・セイン政権の下で政治と経済の改革がスタートした。
それまで、強権的な軍事独裁政権が続いており、世界から最も情報が遮断された国と見なされていたものである。

 小生は過去何度か同国を訪れたことがあるが、軍事政権の下でも多くの人々が日本に対して愛着と敬意を抱いていることを間近に体験することができた。
かつてはビルマと呼ばれ、日本でも戦争中の日本兵とビルマ人との出会いを描いた『ビルマの竪琴』は大きな感動を呼んだものだ。
その物語の主人公のモデルとされた日本人は戦後、総合商社の代表として日本とミャンマーの架け橋として大活躍。小生も親しくお付き合いをさせて頂いた。

 しかし、長年にわたる軍事政権の支配の下、自由な言論、政治、経済活動は認められず、国民の日常生活はあらゆる面で厳しく制限されてきていた。
その象徴がアウン・サン・スーチーさんの自宅軟禁に他ならなかった。ノーベル平和賞の授賞式にも出席することは叶わなかったものである。

 小生は当時の首都ヤンゴンを訪ね、自宅軟禁中のスーチーさんの動向を探る機会があった。
当時、日本大使館はスーチーさんの自宅のすぐ真向いに一軒家を借り上げ、24時間体制でスーチーさんの行動や彼女の元を訪れる関係者の動向を監視していたものだ。
多くの人々が彼女の家を訪ね、自宅前はさながら自由を求める人々の集会所のような形相を呈していた。
時折、スーチーさん自身が自宅のゲート越しに顔を出し、激励の挨拶をする姿を垣間見ることもあった。
今では懐かしい思い出だ。

 ようやく国際社会の働きかけもあり、ミャンマーにとっては、初の民主的な選挙が2015年に実施され、スーチーさんの率いるNLD(国民民主連合)が政権の座に就くことになった。
紆余曲折を経て、2016年4月には、スーチーさんを実質的な国家の最高指導者とする体制が固まった。

 それ以来、国際通貨基金(IMF)の表現を借りれば、「世界で最も急激な経済成長を遂げる国」として、国際社会の注目と関心を集めている。IMFのデータによれば、2016年ミャンマーは年間8.6%の経済成長を遂げており、これはブータン、インド、ラオス、カンボジア、バングラデッシュなどアジアのライバルを抑えて、正に世界ナンバー1の記録である。

 これまで60年以上に渡り、国際社会から孤立の道を選び、経済活動は停滞する一方であったミャンマー。東南アジア諸国の中でも最も貧しい国と位置付けられ、平均寿命も最も短い国であった。
乳児や子どもの死亡率も高く、国民の3分の1しか電気の恩恵に被ることができていなかった。

 道路や港湾といったインフラの整備もままならず、交通事情は極めて貧しいものであった。
地震が起きても救援活動が思うにまかせないという状況が続いた。加えて、土地の所有権が確立しておらず、国民の権利や財産権もあいまいに放置されていた。
当然の結果として、社会整備の基盤は立ち遅れたままであった。

 このように数えきれない困難を抱えていた国ではあるが、見方を変えれば、今後は飛躍的に成長する可能性があるとも言えるだろう。現在人口は6000万人に達し、東南アジア諸国の中でも急成長が目立つ。しかも、若年層が多く、勤勉で安価な労働力の源としても世界の注目を集めている。

 地政学的にも、中国とインドという超大国に挟まれており、今後はアジアにおける貿易や通商面におけるハブ機能を果たすことも期待されている。
歴史をひも解けば、ビルマ時代は東南アジアにおいて、最も豊かで先進的な文化を育んできた国であった。
イギリスの植民地として、この地域の貿易や経済活動の中心地でもあった国。

 天然資源も豊富で石油や天然ガスに加え、様々な希少金属の埋蔵も確認されている。
森林資源や農産物も豊かである。
小生はかつて世界最大の翡翠(ひすい)の原石が眠るミャンマーの採掘場を訪ねた。
ミャンマーにとって翡翠は最大の外貨獲得の道に他ならない。
何しろ輸出額の半分近くを稼いでいる天然資源だ。
国軍の兵士が厳重に警備している姿が印象的だった。
これまで中国が最大の取引相手だったが、今後は日本を始め世界各国が取引市場に参入するだろう。
そうすれば、ミャンマーの持つ潜在的な経済発展の可能性が大きく花開くに違いない。

以下、次号「第46回」(12月9日発行)に続く!


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