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                                                      2018/03/02発行
世界の最新トレンドとビジネスチャンス

第102回

過去最大の宇宙ゴミが地上に落下予定!2018年3月は要注意!(前編)

浜田和幸

ウェブで読む:http://foomii.com/00096/2018030210000044486
EPUBダウンロード:http://foomii.com/00096-45028.epub
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2018年は「中国が世界を驚かす年」になりつつある。
習近平国家主席が終身最高指導者の座を確保できるような「憲法の改正」が提唱されている。
まさに「向かうところ敵なし」の独走態勢と言っても過言ではない。確かに、政治的ライバルを次々と排除し、人民解放軍を完ぺきにコントロール下に置くことに成功したようだ。
加えて、経済も急速に発展しており、「一帯一路計画」に代表されるように、アジアとヨーロッパを結ぶ大経済圏を打ち上げ、周辺の65か国を巻き込む狙いである。
これには「アメリカ第一主義」を掲げる「内向き志向」のアメリカはもとより、他国の追随も許さない勢いがある。

「バルカンのノストラダムス」と呼ばれた預言者ババさんに限らず、内外の専門家たちが「アメリカを抜いて中国が世界最強の経済大国に躍り出る」との予測を次々に明らかにしている。

世界1の大富豪であるビル・ゲイツも投資の天才と呼ばれるウォーレン・バフェットも中国には頭が上がらない様子だ。

国内の経済成長はバブルの兆候や地方都市での「幽霊化ビル」が危惧されるものの、年率7%近い成長を続けており、中間富裕層は2億人を突破。海外旅行を楽しむ中国人は年間1億人を優に超えている。いわゆる「爆買い」の影響で、日本をはじめ世界各国が潤っているようだ。
世界各国で農地や水源地、そして港湾施設やハイテク企業の買収を加速させている。
一時は公害問題で世界から批判を浴びたが、最近は環境対策に力を入れており、悪名高いPM2.5も減少傾向にある。
石炭に代わる天然ガスや原子力による発電量を急増させているからであろう。

そんな世界が注目する中国だが、誰もが望んでもいないプレゼントを用意しているようだ。
それは何かといえば、制御不能となった中国初の宇宙船「天宮1号」のことである。2011年9月に打ち上げられ、一時は3人の宇宙飛行士が滞在し、さまざまな実験を繰り返した。
中国の進める「宇宙大国」への道筋をつける上で、大きな成果を上げたことは間違いないだろう。
有人、無人のドッキング実験を繰り返した。
中国は2023年までに恒久的な宇宙ステーションを稼働させる計画である。その「中国の夢」の実現に、この「天宮1号」は欠かせないミッションであった。

ところが、2013年以降、太陽光パネルに度重なる故障が発生し、2016年9月になると、中国政府によって「制御不能」ということが正式に発表されたのである。
問題は、そうした宇宙船は軌道上に留まれず、次第に高度を下げ、いつかは地上に落下するということだ。
そして、その予想落下時期がようやく明らかになったのである。

これまでアメリカ(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)などが、監視体制を強化するなか、地上への落下の時期と場所の特定を試みてきた。
当初は「2017年末」との予測がもっぱらであったが、その後、何度か修正報告が公にされ、最終的に中国政府から「2018年3月半ば」との正式発表が行われた。
欧州宇宙機関が毎週更新しているデータベースによれば、「3月17日から4月21日」とのことであった。
その後、更に期間が絞り込まれ、最新の予測では「3月25日から4月17日の間」とされる。

とはいえ、正確な予測は難しく、「前後2週間ほどの誤差」がありうるという話だ。
パリの本部を構える欧州宇宙機関では2月28日に世界各国の宇宙機関の代表を招集し、最新の情報交換と対策に関する協議を実施。残念ながら、現時点での落下時期と場所の特定はできていない。
恐らく落下の3日から2日前には明らかにできる見通しとのこと。正確な予測は「落下の7時間前」ともいわれる。
それでも落下地点には誤差が生じる可能性を否定できない。
となると、果たして安全な避難ができるのだろうか。

もともと、中国は2年の寿命だった宇宙ステーションに延命措置を施し、騙しだまし使ってきた経緯がある。
通常であれば、残余燃料を使って、安全な着地点への誘導を図るものだが、今回は上手くいかなかった模様。
そのため、大気圏再突入後の落下地点の特定が難しいといわれる。
大雑把には「北緯43度から南緯43度の間」ということらしいが、実に広範囲である。
もちろん、海や人のいない山中に落ちることもあるだろう。
しかし、日本の人口密集地に落下する可能性も否定できない。
欧州ではスペイン、イタリア、トルコが危ないと言われ、アジアではインド、中国、朝鮮半島、そして日本が危険範囲に含まれている。
南半球ではチリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランドが危ないとされる。
日本も北海道の一部を除けば、危険な落下地域に入っているのだが、政府からの情報提供や対策についての説明はないままだ。
恐らく、日本に落下する可能性は少ないので、下手に警告を出して無用な心配を招いたり、パニックに陥るような事態は避けた方が賢明との判断であろう。
地震や火山の噴火予知でも、なかなか警戒レベルを上げれないことが多い。
もし、警告を出していながら、実際に起きなかった場合の責任を恐れるからであろう。
そうした「警告が外れた場合」を過剰に心配するのが日本政府である。
しかし、今回の天宮1号は自然災害とは違い、人的災害の範疇に入るもの。
しかも、火山や地震と違い、発生の時期も場所もかなり特定されている。
「日本に落下しないから大丈夫」という発想ではなく、世界全体の危機として受け止め、中国政府への働きかかけも含め、危機回避に向けての情報開示と対策の明確化を打ち出すべきであろう。
中国政府に言わせると「機体の大部分は燃え尽きる。
だから心配ご無用」とのこと。
とはいえ、過去の事例では、大気圏再突入に際し、10%から40%の機体が焼け残り、地上に落下している。
これまで直接被害を受けた人は少なく、過去50年間で、たった1人である。
それはアメリカ人の女性で、オクラホマの自宅周辺を散歩中に、突然、空から降ってきた「宇宙デブリ(気象衛星か通信衛星の破片)」によって肩にけがをしたという。1997年のこと。

そうした過去の事例に鑑み、中国政府は今回の宇宙ステーションの一部が人に損傷を与える可能性は「1兆分の1で、落雷に当たる可能性よりはるかに低い」との説明に終始している。
とはいえ、実に危険な落下物であることには変わりない。
そのため、現在、世界各国の宇宙観測機関が正確な落下時期と地点を特定するため日夜監視体制を強化しているわけである。

以下、次号「第103回」に続く!                  




                 
   
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