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ソムリエの追言 ④
「それって本当!? 適温の常識」 
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ワインの適温 
私も含めて一般の消費者の方は、飲みたい時にワインを買い、買ったらすぐに消費する事が多いと思います。コルクを開けるまでの熟成や保存条件ももちろん大切ですが、個人消費のレベルでワインの味わいを左右する一番の要因は、飲む時の温度にあります。 
「白ワインはよーく冷やして飲むものだ!」というステレオタイプな意見は、消費者の方からもほとんど聞かれなくなりましたが、販売店でワインによって細かく適温を教えてくれるお店は少ないですし、レストランではシャンパンも白ワインも冷やすタイプのものはすべてシャンパンクーラーに突っ込んでおしまいというお店が多いのではないでしょうか?


一般的には、タイプ毎の適温は図のように言われています。 
 
 
冷やし過ぎに注意
よくパーティーなどで、シャンパーニュを冷やし過ぎる光景を目にしますが、私はもったいないなと思ってしまいます。冷やした方が飲み口はすっきりとしますが、シャンパーニュの複雑な味わいは感じにくくなります。人間の味覚は、5℃以下の繊細な味の違いをほとんど認識できないのです。 

前述の「白ワインはよく冷やした方が美味しい」というのは、「白ワインはよく冷やした方が香り・味の個性が分かりにくくなり、不味いワインもそこそこ美味しく飲めてしまう」と言った方が的を射ていると思います。 

逆に10℃前後では味にごまかしがきかないため、もしレストランで頼んだグラスの白ワインが、キンキンに冷えたものでなかったとしたら、それはそのお店が自分のところで扱っているワインに誇りをもっている証かもしれません。 

かもしれません・・・と言うのは以前、夜景のきれいな池袋のレストランで絶妙な温度でグラスの白ワインが出てきた事があり、飲んでもすごく美味しかったので、一緒にいた友人とも「このお店はワインに自信をもっている!」なんて話で盛り上がり、お店のソムリエに「グラスの白をこの温度で提供するなんてさすがですね!」と話しかけたところ、「すいません、冷えてる在庫切らしちゃってて・・・さっき冷やしたばかりなんです。」と言われてしまいました。 


冷やす時間の目安(家で飲むなら)
辛口の白ワインなら常温のボトルを冷蔵庫でだいたい3時間、甘口なら6時間くらいで適温になります。しかし家で飲む場合、そんなに細かく時間を気にしていられないと思います。そんな時は冷蔵庫の野菜室がだいたい5~10℃なので、辛口白ワイン、シャンパンなら前日から野菜室に放りこんでおき、後は飲みたいタイミングで取り出せば大丈夫です。冷えすぎる心配もありません。ロゼワインなら飲む10分前ぐらいに野菜室から出しておけば丁度飲みごろの温度になります。 

逆に前もって冷やすのを忘れていたり、突然の来客で急いでワインを冷やしたい時には氷水にボトルを肩まで漬けておくのが一番です。最初の3~4分でだいたい1℃、それ以降は1分に1℃のペースで温度を下げられるので、 
室温(天気予報を目安に) - 希望の温度 + 3分 = 冷やす時間 
というのが大まかな目安ですが冷やし過ぎたと感じたら、あまり堅苦しく考えずにしばらく室温に置いて戻せば良いのです。ワインは急激な温度上昇で熱劣化を起こす事はありますが、少々冷やし過ぎたからといって味が劣化するというような事はありません。 

適温といわれる温度でも、実際に体で感じる温度はそのときの状況や体調によってずいぶん違ってきます。 ある夏の午後、ワインの品揃えが良いと評判のオープンカフェに入り、 そこで注文した赤ワインがどうも冷え過ぎていると感じたことがありました。 

店員さんにそのことを伝えると、「うちはちゃんとセラーに入れて
16℃で保管してありますよ!」と言われました。気温が30℃を超えていたせいもあるのでしょう、適温で出されたワインが私にはいつもより冷たく感じられたのです。

そこで私はお店の人にデキャンタージュをお願いしました。デキャンタージュには香りを開かせる、澱を取り除くという効果もありますが、ワインが空気に触れ、別の容器に触れる事で温度は1~2℃上昇し、ちょうど良いと感じる温度で飲むことができました。 

デキャンタージュはなにも、古いワインに限った特別な儀式ではないので、少し冷えすぎているなと感じた時には気軽に店員さんにお願いしてみてください。

場合によっては、適温よりも少し高めの温度の方がワインをスムーズに、美味しく飲める事もあるのです。 自分の味覚に自信をもって、その時一番美味しいと思える飲み方で、気軽に楽しく飲む事が一番大切だと思います。

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