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ソムリエの追言 ⑤
「ワインの適温について」 
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今回も皆様からの問い合わせが多い、
ワインの適温についてご紹介させて頂きたいと思います。

適温にもかなり幅があります
赤ワインは常温で、白ワインやスパークリングワインは冷やして飲むと言われていますが、具体的には何度位の温度なのでしょう? 

一般的にはワインの適温は、カベルネ・ソーヴィニヨン種やメルロー種を使った渋味が強いボルドーの赤ワインで、16~18度とされています。

20度を越えるような温度ですと、ワインの魅力的な香りよりも、アルコールのにおいを強く感じてしまい、あまり美味しく飲めません。

反対に温度を下げすぎてしまうと、せっかくのボルドーワインが持つ芳醇な味わいを、楽しむことができなくなってしまいます。 ですが、毎年11月に解禁のお祭りがあるボジョレー・ヌーボーの様な渋味があまりなく、よりフレッシュさを楽しむタイプの赤ワインですと少し低めで、12度位でも宜しいかと思います。
(ワインによってはもっと冷やして頂いても) 

一方、冷やした方が良いとされている白ワインの適温は6~10度位です。
(冷蔵庫の野菜室の温度がこれ位、チルド室だともう少し冷たいです)


しかし、コクのあるタイプの白ワイン(例えばフランス・ブルゴーニュのムルソーなど※)は12度位と言われています。(夏なら常温のボトルを氷水に入れて30分位、冬なら10分位でこれ位の温度になります) 
ムルソーの生産者の中でも、コント・ラフォンやコシュ・デュリのつくるムルソーはもう少し高い温度、14~16度位で飲んだ方が良いと言う意見もあります。

ボルドーワインを冷やして飲んだ方が、美味しく感じる時も
私が軽井沢で真冬の一番寒い時(-10℃を越えるような時)に鹿肉のステーキを食べながら飲む、ボルドーの赤ワインは本当に美味しく、18度位が適温かなと思いましたが、 同じ軽井沢でも、少し汗をかくような夏の暑い時に晴れたテラスで飲んだ時は、のどが渇いていたせいもあり、ボルドーの赤ワインでも、冷たい位の赤ワインの方が当然美味しく感じました。
 
暑い時などは、適温18度にこだわる必要は必ずしも無いと思います。

白ワインは冷えていた方が美味しいのか
以前働いていたレストランで、お客様がご注文されたコント・ラフォンのムルソーを試飲させて頂く機会があったのですが、セラーから出したばかりの12度位のワインより30分後に試飲したワインの方(15度位に上がっていたと思います)が、冷たい状態よりもムルソーが持つ味わいの特徴である濃厚なコクや果実味が楽しめ、個人的には美味しく感じました。 
それぞれのワインが持つ味わいを十分引き出すために、 すっきりとした味わいの白ワインならば、低めの温度が良く、 コクのある味わいの白ワインならば、高めの温度が良いと言われていますが、 これは温度が低い方がよりすっきりとした味わいに感じ、 温度が高めの方が、コクや果実味を強く感じるからです。 
 


しかし、すっきりとした白ワインが好きなお客様でしたら ソムリエはコクのある白ワインでも、少し低めの温度でご提供します。 
他にも、暖かい晴れた日のテラスのランチでコクのある白ワインをご注文頂いた場合には、 普段よりも少し冷やしぎみにしたりします。 レストランやワインバーに行った時に、そのワインの適温だけでは無く 好みや、その日の気温を考えてワインを提供してもらえれば ワインとお料理が、もっと楽しめますね。 

ブラインドティスティングのワインは、なぜか冷えすぎています
ワインを冷たくしすぎてしまうと、ワインの香りや味わいの違いが分かりづらくなってしまうのですが、ソムリエ試験のブラインドティスティングではその事を利用して、より繊細な嗅覚と味覚のテストですので、かなり冷やしたワインで行われます。 

一番最初はすっきりとした味わいとされているフランスのサンセールかシャブリだと思ったのに実際はブルゴーニュのコクのあるワインだったりと、まるっきり違うワインだと思ってしまう事がよくあります。

私がブラインドティスティングの試験に臨む時、 先輩から教わった事で非常に役に立った事があります。 それは「最初にグラスを温めてワインの温度を上げておく」 という事です。 

試験の時は、白ワインも赤ワインもキンキンに冷やしているので、 最初にグラスの温度を上げておいた方が、葡萄酒の成分が分かりやすいです。
ソムリエ試験を受ける方、覚えておいて損は無いと思います。 

赤ワインにも白ワインにも、それぞれ美味しく飲めると言われているワインの適温がありますが、 適温じゃない方が美味しい時もあるので、 色々な温度でも是非楽しんでくださいね。 

※高めの温度で飲んだ方が良いとされている白ワインにムルソー以外で フランスだと、コルトン・シャルルマーニュ、シャサーニュ・モンラッシェ、ピュリニー・モンラッシェ、 あのシャトー・ムートンの白ワインでエール・ダルジャン、 カリフォルニアにはカレラやオー・ボン・クリマなどがあります。

【道上の独り言】
常温とか室温と言う言葉がありますが、フランスの室温と言うのは厚みのある石壁に囲まれた部屋(シャトー)などを標準にしていて、室温と言っても日本のように20度以上のイメージではなく14~18度の場合を指します。
フランスは日本に比べ室内は暖房を付けないと寒い場合が多いのです。





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