┏◆◇━2026年3月━◇◆
◆┛
┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第120号◇
◆┓
┗◆◇━━━━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛
会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。
このミニ情報をご覧いただき、
円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を実現していきましょう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
自社株買いを活用した事業承継対策
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今回は、自社株買いを活用した事業承継対策についてご紹介します。
事業承継の際の資金調達や株主構成の見直しをお考えの方は、ご参考にしていただければ幸いです。
【1】 自社株買いとは
会社が所有する自社株式のことを自己株式といいます(金庫株とも。株式を市場(外部)に出さず会社の金庫に大事にしまっておくイメージから)。そして会社が株主から自社株式を取得し自己株式とすることを自社株買いといいます。
上場企業においては、株主への利益還元のため行うことが多い自社株買いですが、非上場企業においても事業承継対策の手段として活用することができます。
【2】 自社株買いによる事業承継対策
(1) 後継者の納税資金確保
贈与や相続により株式を後継者に移転すると、後継者が贈与税や相続税を払うことになりますが、後継者の手元に資金が無い場合や、相続財産の多くが換金性の低い資産である場合などは、別途納税資金を調達する必要があります。
こういった場合に、後継者に移転した株式の一部を会社が買取ることで、後継者に納税資金を渡すことができます。
注意点として、自己株式については株主総会での議決権がなくなるため、自動的に後継者以外の株主の議決権比率が高くなります。後継者以外の株主がいる場合にはこれを考慮し、後継者が最低でも議決権の過半数を確保できるよう買取り株数を決める必要があります。
また、自社株買いを行う場合、売却価額のうち資本金等に対応する部分を超える部分については、株主への会社利益の払い戻しとして、税務上は配当金と同じ性格を持ちます(みなし配当)。
所得税において、株式等の売却益は通常「譲渡所得」として分離課税となりますが、このみなし配当部分は「配当所得」として総合課税になるため、税負担が大きくなりやすいことに注意が必要です。
しかし、後継者が相続で取得した株式を一定の条件に従い会社に譲渡した場合であれば、みなし配当課税の適用を受けず、その譲渡所得全てに対して通常の譲渡所得の税率を適用することが可能となり、更に支払った相続税額の一部を取得価額に加算することができます(取得費加算の特例)。
(2) 分散した株式の集約
外部株主の株式は、相続を繰り返すことで分散し、株主として好ましくない相続人の手に渡ってしまうことがあります。こういった株主から株式を買取ることで、株式を集約し、会社にとっての将来のリスクを減らすことができます。
注意点として、買取り価格についてその外部株主と合意が取れない場合、必要資金が嵩んでしまう可能性があります。
【3】 自社株買いを行う際の留意点
(1) 分配可能額
会社法では、債権者保護の観点から、自社株の取得を行うことのできる限度額(分配可能額)が設けられています。無制限に取得を行うことはできません。
(2) 株主総会の決議
自社株の取得には、基本的に株主総会の決議が必要です。他の株主に自社株買いの詳細を知られてしまう他、他の株主からも買取りを要求されるケースもあります。
【4】まとめ
自社株買いは実務上考慮すべき点が多いものの、慎重に検討を重ねれば事業承継対策の手段として用いることが可能です。
当法人では事業承継に関するご相談を承っております。どうぞお気軽にお問合せください。
(担当:新貝 香乃)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■辻・本郷 税理士法人 www.ht-tax.or.jp/
■本メールマガジンに関するお問合せ先
発行責任者:楮原 達也
連絡先:03-6388-0196
Eメール:shoukei@ht-tax.or.jp
受付:法人ソリューショングループ(組織再編・資本政策)
(c)HONGO・TSUJI TAX & CONSULTING ALL Rights Reserved
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━








