高市発言等「世界経済評論インパクト」
井川紀道・元世界銀行MIGA長官
プロローグ
台湾有事に関する高市発言についての捉え方は様々ある。まず以下のI教授と大学生のやり取りをご覧いただきたい。
I教授:高市発言に過剰反応したくない。まず、日米安保条約における日米軍事協力は、基本的に、日本の施政の下にある領域において武力攻撃を受けた場合に共同で対処する義務と基地提供義務であり、米軍の台湾での軍事行動に日本が後方支援する条約上の義務はない。次に、台湾有事は、歴史的因縁からみて、いつ中国共産党が国共内戦に歴史的かたをつけ台湾を統合するかの問題だ。いずれにしろ台湾有事に日本の出番はない。
大学生A:I教授の説明はその通りだと思う。とにかく、日本が台湾有事で戦争に巻き込まれ、若い世代が血を流すのはまっぴらごめんだ。中国が台湾を統一すれば、軍事バランス、経済バランスが一気に中国に傾くので、これを阻止しなければいけないと言う主張には賛同できない。日本は台湾問題での中国の立場を理解し尊重する立場だが、台湾は基本的に中国の内政問題だ。現在の日本の国力では長いものに巻かれろだ。
大学生B:高市発言は中国の核心的利益に干渉したとして習近平を怒らせた。この発言を撤回して、ますます強大になる隣国の科学技術大国との関係を正常化させることを優先すべきだ。「時の流れは中国に見方する。」
大学生C:習近平は日清戦争に勝っていれば、台湾と台湾の一部である尖閣列島は中国のものであり、この屈辱の歴史を変えるのが自分の責務だと言う。台湾有事とは言うが、尖閣列島という日本の固有の領土が武力攻撃を受ければ、日本有事になり、自衛隊の個別的自衛権行使の問題となるのではないか。日本国民は戦う覚悟を持つべきだ。
大学生D:台湾有事になって、もし米国から日本基地使用の事前協議を受けたら、これを拒むことは困難だろう。存立危機事態になれば集団的自衛権での後方支援を求められるだろう。条約上の義務はないかもしれないが、これを断りもし日米安全保障条約の破棄が、近い将来に現実化すれば、日本を取り巻く軍事的脅威に丸裸で対応しなければならない。
大学生E:日本は安易に戦争に駆り出されるべきでなく、台湾有事は日本有事と軽々に述べるべきではない。しかし、台湾有事は日本有事と言った方が中国に対する抑止力にはなるかもしれない。安倍元総理は習近平にそれを警告したそうだ。自分は戦争に巻き込まれたくないので、日本は弱腰になるよりも、米国が抑止力強化をするならばこれに協力すべきと思う。高市発言は慎重さを欠いていたかもしれないが、今更撤回しない方がいい。「時は中国に見方せず」だ。中国は2018年か2021年にピークを迎えたとの見方もある。
以下の添付ファイルでは、高市発言の余波についての記述が続く。
<世界経済評論インパクト戦略的互恵関係の実を井川紀道
2026年3月14日








