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        ┌┬───────────────────────────2026年4月

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        │└┼┐  資産家のための資産税ニュース 第172号

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        └──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 www.ht-tax.or.jp/

        辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が

        相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする

         

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        ■□ 高所得者に更なる負担 ミニマムタックス ■□

         

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        令和5年税制改正により導入されたミニマムタックス税制ですが、令和8年税制改正において高所得者層にさらに重い負担を課すこととなりました。

         

        【1.ミニマムタックス税制の導入】

        もともと、所得の高い人ほど実質的な税負担が下がる状態があり、所得の再分配機能がうまく働いていないと言われていました。

        財務省統計によると、課税実績に基づく所得税負担率は、1億円を境に下がる傾向がありました。

        いわゆる1億円の壁です。

        富裕層ほど税負担が下がるという状況を是正するため、令和5年税制改正を受け、令和7年1月1日よりミニマムタックス税制が導入されました。

         

        【2.なぜ税負担率が下がるのか】

        理由としては、所得の高い方ほど、給与などの総合課税の所得よりも株式等の売却や配当、また不動産の売却といった、分離課税の所得が中心になるためと考えられます。

        総合課税は所得が増えるほど税率が高くなる累進課税ですが、分離課税の所得に対する課税は、どんなに多額の儲けが出ても一律15.315%となっています。

        こうしたことから、株式等から多額の配当等を得たり、株式等や不動産の売却で多額の譲渡所得を得ている富裕層ほど、所得税の負担割合が下がるという現象が起こるわけです。

         

        現在施行されている制度では、所得の全てが金融所得などの分離課税だった場合は10億円を超える方、財務省の統計による課税実績に当てはめると年間合計所得金額(総合課税の所得と申告不要の分離課税の所得も含めた所得金額)がおよそ30億円を超える方が対象となってきます。

        この制度の導入により、対象となる方は300人程度と見込まれていました。

         

        【3.ミニマムタックス税制の強化】

        こうして始まったばかりのミニマムタックスですが、高所得者層により高い税負担を求めようということで、下記のように改正されます。

         

        <現行>

        (1) 通常の所得税額

        (2) (合計所得金額 − 特別控除額3.3億円) × 税率22.5%

        (3) (2) − (1) を追加納税

        <改正案>

        (1) 通常の所得税額

        (2) (合計所得金額 − 特別控除額1.65億円) × 税率30%

        (3) (2) − (1) を追加納税

         

        これにより、所得全てが金融所得などの分離課税の場合、約3.3億円を超えてくると追加納税の対象、また財務省の統計による課税実績に当てはめた場合は合計所得金額で約6億円を超える方が追加納税の対象となる見込みとなり、かなり多くの方が追加納税の対象となることが想定されます。

         

        留意点ですが、特定口座で多額の譲渡所得や配当所得がある場合、申告不要制度を選択していても、スタートアップ再投資やNISAの非課税分を除き、この基準所得金額に含まれるため、追加納税の対象となる可能性があります。

        また、基準所得金額はふるさと納税などの各種所得控除は考慮されないため、多額のふるさと納税をしてもこの制度についての減税効果はないのでご注意ください。

         

        【4.令和8年中に検討できること】

        適用時期は令和9年1月1日以降ですので、不動産を売却する予定で多額の不動産譲渡所得が見込まれる場合や、同族会社をHD化しよう、あるいはM&Aを予定している、などで多額の株式譲渡所得が見込まれる場合は、令和8年中に実行した方がよいのか、複数年に分けて実行したらどうなるか、などの検討を早急に行うことが重要と言えそうです。

        担当:税理士 井口 麻里子)

         

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