Vol.179 2020/04/03
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
今こそ日本株を買い進める冒険投資家ジム・ロジャーズ
ぶっちゃけ、世界を股にかけて投資案件の発掘に心血を注いできたジム・ロジャーズ氏は今も元気一杯だ。
天才投資家のジョージ・ソロス氏とタッグを組んで大成功を収めたクォンタム・ファンドは伝説的なヘッジファンドに他ならない。
筆者とも何度か対談をしたが、「歌舞伎町を探索する時には、財布は二つ用意する。身の危険を感じた時に差し出すために、見栄えはいいが少額入りの財布が欠かせない」といった具体的な知恵の宝庫の持ち主だ。
そんな裏の世界にも通じた冒険投資家だが、今は活動拠点を
シンガポールに置いている。
当初は香港や上海に食い込んでいたが、中国の未来には可能性とリスクが混在していることを見抜き、家族の将来のために「安全なシンガポールを終の棲家にした」と言う。
二人の娘には幼いころから中国語しか話せない乳母を雇い、英語と中国語のバイリンガルに育て上げた。
そんな未来を見据えた投資家であるが、現下の「COVID-19騒動」をどう見ているのだろうか。
アメリカと中国との間では病原菌の発生源を巡って非難の応酬が続くが、水面下では「お互いに持ちつ持たれつ」の関係を保っている。
そう断言するのが、アメリカにも中国にもパイプを持つロジャーズ氏の見立てである。
確かに、アメリカにとっては中国の市場は欠かせない。
また、アメリカのIT系企業にとっては中国人の頭脳は無くてはならない存在だ。
更には、アメリカの農産品の売り先として中国は最大のお得意様といえよう。
もちろん、中国にとってもアメリカは他と比較できない巨大な輸出マーケットである。
新型コロナの影響で中国でもアメリカでも株式市場の乱高下が続いている。
しかし、「こういう時こそビッグチャンス」というのがロジャーズ氏だ。
同氏曰く「市場の占有率の大きさや負債の少なさを判断材料にすれば、自ずと優良企業を見極めることができる」。
また「今、手元にはドルを現金で大量に保有している。
他には中国とロシアの企業の株がある。
これからは日本株に投資するつもりだ。
更には、今回の騒動で業績の悪化した観光、運輸、航空会社、
農業、食品業界が反転する前がチャンスだろう。有望な株は日本にも中国にもたくさんある」。
続けて「ロックダウンした中国は遅かれ早かれ復活する。人々は仕事に復帰する。工場もレストランも必ず再開する。皆が生きていく限り、仕事は欠かせない。これは世界共通だ。時間が解決してくれる。悲観する必要はない」。
ぶっちゃけ、非常時に備え、いつも身代わりの財布を隠し持ってきた冒険投資家の発想にはいつもながら励まされる。
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