今週のお薦め作品
2月28日公開「黒い司法 0%からの奇跡」
黒人差別が残るアラバマ州モンゴメリーを拠点に黒人と貧困者のための司法の公正構想(イコール・ジャスティス・イニシアチブ)を立ち上げたハーバート大学卒業の黒人弁護士ブライアン・スティーブンソンの実話を映画化した作品。ブライアンは北部で働けば偏見もなく、お金も稼げるのに自らの信念と正義を貫く為に南部のアラバマ州で弁護士事務所を立ち上げる。物語の中核は18歳の女性を殺したと冤罪で逮捕されたマクミリアン(通称ジョニー・D)を助ける事。同じ志を持つ白人女性のエバ・アンスリーが現れ、不利な状況から着実に真実に近づいていく。南部の黒人偏見が激しい1980年代に二人の活動は脅迫や妨害にもあっていたが、やがで二人に賛同する人々の協力も得て真実を問う再審の席にたどり着く。胸が熱くなる感動作である。主人公マイケル・B・ジョーダンは「ブラックパンサー」「クリード」でブレイクした俳優、共演する冤罪犯役のジェイミー・フォックスとエバ役のブリー・ラーソンは共にアカデミー賞受賞経験のある俳優。3人熱い演技がこの感動作をさらに高めている。今週公開の必見作です。
また、先週公開作の時に推薦作を書きませんでしたが「ミッドサマー」が面白い。口コミで観客動員が増えているという。物語は90年に一度スウェーデンの奥地で開かれる祝祭、楽園のような素晴らしい世界の祝祭が始まると狂気の世界へと変貌していく。全シーンが結末に結びつくような繊細な脚本の素晴らしさに見ごたえがあるサスペンスである。私自身がこの1本として推薦するならば「ミッドサマー」を選択する。でも、映画好きの方はぜひ2本だけでなく今週は以下の作品も観て欲しい。ヒトラーに抵抗した一農夫を描いた「名もなき生涯」FOXニュースのセクハラ事件を描いた「スキャンダル」、疲れているときは絶対のお薦めのノンストップアクション「チャーリーズ・エンジェル」。