Vol.149 2019/07/05
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
フック首相の多面的な経済外交を支えるベトナムの
日本語学習熱
ぶっちゃけ、大阪のG20首脳会議に参加した37の国や
国際機関のトップの中で、フットワークの軽さではフック首相の右に出る人物はいなかった。
何しろ、2日間の首脳会議の合間を縫って、大阪とハノイを往復しているのだから。
まさに片足を大阪に置きながら、もう片足をハノイに置くという離れ業を見せてくれた。
G20の会場で各国首脳との会談や日本の経済団体との懇談をこなしていたと思ったら、ハノイではEUベトナム自由貿易協定の調印式に臨んでいた。
大阪滞在中も和歌山に足を運び、東京でも安倍首相との会談のみならず、1500人の日本人ビジネスマンを前に講演するなど、実に精力的な動きを見せていた。
このところベトナムの経済成長は著しく、7.8%の成長率は他を圧倒している。
昨年は海外からの投資額が3500億ドルを超えた。
既に3000社を超えるスタートアップ企業が躍進を続け、上場企業数でもシンガポールを追い抜いたのがベトナム。
農業分野でも医療、観光、不動産開発といった分野でも海外からの関心や投資が高まる一方だ。
言うまでもなく、日本からの企業進出もうなぎ登りである。
人口1億弱のベトナムでは平均年齢が28歳と若く、インターネットショッピングも急拡大中で、昨年は330億ドルのオンライン決済を記録した。
再生可能エネルギーの導入も進んでおり、総発電量に占めるクリーンエネルギーの割合は毎年10%増加している。
こうした「未来の大国」を率いるフック首相の意気込みは熱い。
日本が進める高度人材の受け入れ事業においてもベトナムは筆頭株である。
いわゆる「技能実習生」や留学生の数でもベトナムは断トツのナンバーワン。
日本で学ぶ外国人留学生のうち、4人に1人はベトナム人だ。
日本企業の7割がベトナムへの進出や投資を検討しているとの調査もあり、そうした日本企業で働きたい希望を持つベトナム人が多いのもうなずけよう。
そうした背景もあり、ベトナムで日本語を学ぶ学生数は急増中だ。
日本語を学ぶ国民の比率が世界で最も高いのがベトナムなのである。
ベトナムから日本を訪れる観光客も昨年31万人に達し、5年間で4倍に増えている。
日本の商品やサービスに惹かれるベトナム人は増える一方である。
実は、イオンモールはベトナムで3か所の大型店舗を経営しているが、日本の商品を売るだけではなく、ベトナムの商品を毎年3億ドル近く日本に輸出している。
ぶっちゃけ、米中貿易摩擦が激化すればするほど、「チャイナ・プラス・ワン」の代表であるベトナムは「漁夫の利を得る」ことになるだろう。
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