Vol.168 2019/11/01
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
ぶっちゃけ、度重なるトランプ大統領のごり押しに安倍首相は「ノー」と言えないままだ。
何しろ、5兆円を超える防衛予算の大半を占める兵器や装備品の大半はアメリカ製である。
一基1224億円と言われる迎撃ミサイル「イージス・アショア」を筆頭に早期警戒機E2Dは一機260億円、無人偵察機「グローバル・ホーク」は一機173億円といった具合だ。
アメリカの軍需産業にとっては言い値で買ってくれる日本は大のお得意様に違いない。
また、アメリカの農家にとっても日本は大事な輸出先になっている。
中国が輸入を拒否したため、売り先を失った大量のトウモロコシを追加で275万トンも買ってくれるのは日本だけである。
実は日本は毎年1000万トンもの飼料用トウモロコシをアメリカから輸入している。
これだけでも余ってしようがないのだが、更に追加での輸入というわけで「大盤振る舞い」を超えて、「安倍首相のトランプ大統領への異常な愛」としか思えない。
第一、日本は「食料の自給率をアップする」との国家目標を掲ていたはずだ。
アメリカから必要のないトウモロコシを大量に購入するというのでは、日本の国策を踏みにじるものと言わざるを得ない。
そして、今回、急浮上しているのが自衛隊の中東派遣である。
まだ正式に決まったわけではないが、緊張の高まる中東海域では日本のタンカーも被害に遭っているため、「自国のタンカーは自国の軍隊で守れ」というトランプ流の圧力で、安倍政権は早ければ年末、遅くとも年明けには自衛隊の護衛艦と哨戒機を中東海域に派遣する方向で調整している。
サウジアラビアの石油施設が攻撃され、イラン国営会社のタンカーが爆破されるなど、情勢は緊迫する一方だ。
確かに、中東からの石油や天然ガスを大量に輸入している日本にとっては、シーレーン防衛は日本経済に欠かせない条件である。
しかし、このところの緊張激化の原因の一つはアメリカがイラン核合意から一方的に離脱したことにある。
その意味では、対立激化の原因を自ら作っておきながら、その尻ぬぐいを日本に押し付けているとの見方も成り立つ。
海上自衛隊の保有する護衛艦は48隻。
修理や乗組員の訓練、交代に加えて、東シナ海など近海での中国の動きに備える任務もあるため、中東海域に派遣できる護衛艦や哨戒機には限りがある。
しかも、自衛隊の海外派遣には憲法上の制約も立ちはだかる。
結局、アメリカというボディーガードに高いお金を支払って日本のタンカーを守ってもらうことになりそうだ。
ぶっちゃけ、アメリカにとっては得意の「戦争ビジネス」と言っても過言ではないだろう。
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