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        ┏◆◇━2019年5月━◇◆

        ◆┛

        ┃    経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第38号◇

        ◆┓

        ┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛

        会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?

        その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、

        承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?

        そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。

        このミニ情報をご覧いただき、円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を

        実現していきましょう。

        ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

        現経営者に及ばないリーダーシップをどう補っていくか

        ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

        今回も、前回に続き、後継者を選定する際のポイントについて取り上げます。

        具体的には、後継者に求められる素養とは何か、また現経営者側でも、

        事業承継を成功させるためにどういった取り組みを行っておくべきかを考えてみましょう。

        【1】後継者に求められる素養とは何か

        一般に、後継者に求められる素養としては、経営者としての

        素質(リーダーシップ等の経営センス)、経営能力や経営意欲、さらに事業運営に関する現場の知見や営業・財務・労務等の経営管理に関する幅広い知見などがあります。

        経営意欲については「後継者の強みを活かし、成果に責任を持たせること」で

        仕事への意欲を持つようになることが考えられます。

        一方、現場に関する知見や経営能力を短期間で習得することは難しいため、後継者教育のための十分な期間を設け、後継者に必要な経験を積ませることが大切です。

        【2】現経営者の持つ人脈、経営ノウハウの引き継ぎ

        社内外での後継者教育を行うことにより、現場に関する知見や経営者としての自覚を育てることに繋がります。一方、現経営者の持つ人脈・経営ノウハウ・経営のコツは、後継者の成長に合わせて少しずつ引き継いでいく必要があり、一般に時間がかかります。

        そのため、後継者が安定した経営ができるようになるまでは、現経営者は会長職などについて権限を残しつつ、後継者を支える期間が必要です。

        【3】古参幹部の処遇について

        現経営者に強い信頼を持っている古参幹部がいる場合に、後継者についての十分な説明もなく承継を進めていこうとすると、古参幹部の反感を買い、後継者による新体制の経営に影響を及ぼす可能性があります。そのため、後継者の経営理念や後継者による新経営体制の内容等について、これら古参幹部に丁寧に説明し理解を得ることが大切です。

        役員等であれば現経営者とともに退任するという方向性も検討すべきでしょう。

        後継者による新体制を支えてもらいたい古参幹部については、後継幹部として内部昇格させる等適切な処遇を行うことで、後継者を支える体制を整え、協力をお願いすることも重要です。

        その際には、当該人材のこれまでの実績や経験にも十分配慮した人事異動で

        あることを社内に説明する必要があります。

        現場の知見や経験が備わっていない後継者にとって、すぐに現経営者のようにリーダーシップを発揮していくことは不可能です。そのため、後継者は古参幹部や関係者の協力を得ながら、新体制の下で経営を進めていくことが必要であると思います。

        (担当:真境名 元樹)

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