┏◆◇━2019年11月━◇◆
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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第44号◇
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┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛
会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。
このミニ情報をご覧いただき、円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を
実現していきましょう。
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その契約は有効ですか?契約当事者の意思能力等に注意を!!
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今年もあと少しで終わろうとしておりますが、この時期には、株式の贈与や売買の案件が増えます。
贈与も売買も、個人間で株式を移動するための方法ですが、それぞれ、贈与契約や売買契約といった契約に基づいて所有権が移転することになります。
今回は、契約を結ぶ際に必要な「意思能力」等について説明をしていきたいと思います。
【1】意思能力とは?
事業承継対策や相続対策で、株式を生前に贈与や売買により移動することがあると思います。
冒頭でも触れました通り、これらの契約を行うには、契約の当事者に
意思能力があることが求められています。
意思能力とは、自分が行う法律行為の結果を認識し、判断することができる能力をいいます。
意思能力がない状態で契約を締結すると、その契約は無効となってしまいます。一般的には、10歳未満の幼児や重度の認知症の方は意思能力がないと考えられています。
最近では高齢化が進んでいることもあり、税務調査でも、契約が有効に成立して
いるかを確認されることがあります。
実際の調査事例で、株式の譲渡後に、譲渡したオーナーが入院してしまい、そこに税務調査が来たケースもあります。調査内容としては、名義株式をオーナーに集約したことに対する質問がメインでしたが、それ以外にもオーナーが後継者に株式を売却した
理由など、株式の売買契約に対する認識の確認も含まれていました。
【2】後見制度について
法律上は、意思能力がない人が行った契約は無効になりますが、契約後に意思能力がなかったと証明することは大変難しいケースが多いといえます。そのため、民法では、後見制度というものを設けています。
後見制度は、本人の判断能力が衰えてきた場合に、家庭裁判所が決定した後見人が、本人に代わって法律行為を代理したり、本人が行った契約を取り消したりすることで、本人の権利や財産を守るための制度です。後見制度の適用を受けていれば、仮に認知症になった人が締結してしまった必要のない契約についても、
後見人が取り消すことが可能になります。
本人の利益を守るという点で、後見制度は大変意義のある制度ですが、
一点、留意する必要があります。それは、
贈与を行うことができなくなるという点です。
これは、後見制度の趣旨が、本人の権利や財産を保護することにあるため、本人の財産が減ってしまう贈与は認めらないというものです。
後見制度を適用している、又は適用を検討している場合で事業承継対策について、お悩みの方は、下記弊社担当までご連絡ください。
(担当:小湊 高徳)
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