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        ┌┬───────────────────────────2018年12月

        ├┼┐

        │└┼┐  資産家のための資産税ニュース 第84号

        │ └┼┐

        └──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/

         

        辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が

        相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする

        「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。

        (※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)

         

        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

        ■□ 仮想通貨の今 ■□

        (このコラムは45秒で読めます)

         

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        国税庁は、平成30年11月21日に

        「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」を公表しました。

        基本的には昨年12月に公表された

        「仮想通貨に関する計算方法等について(情報)」を更新したものですが、

        以下整理します。

         

        【1.仮想通貨と所得税】

         

        仮想通貨は売却した時だけでなく、仮想通貨で商品を購入した場合や仮想通貨同士の交換をした場合にも税金の計算が必要です。

        また、利益が出た場合の所得区分は「雑所得」になるため、最大55%の総合課税の対象となります。

        計算方法が難しい、という指摘がありますが、平成31年1月末を目途に

        「年間取引報告書」が取引所から投資家に送られることになりました。

        この「年間取引報告書」に記載された金額を国税庁の提供するシステムに入力すれば簡単に計算ができるようになります。

        今後の検討事項としては、FX取引のように総合課税55%→分離課税20%へ、損失が出た場合に繰越しを可能とすべき、といった要望があるようです。

         

        【2.仮想通貨と相続税】

        仮想通貨を相続した場合には、相続税の対象となります。相続税の評価は相続時の仮想通貨交換業者が公表する取引価格によって評価します。

        なお、仮想通貨にはパスワードが必要となりますが、亡くなった方がパスワードを遺族に伝えていなかった場合には、「換金できないのに相続税だけかかってしまう」、といった問題がでてくるかもしれません。

        また、仮想通貨は「財産債務調書」の対象になりますが、「国外財産調書」の

        対象にはなりません。

        仮想通貨は財産を所有する方の住所の所在により、内外判定をする

        財産に該当するためです。

        つまり、日本に住んでいる方が仮想通貨を国外の仮想通貨取引所に保有していたとしても「国外財産」に該当しないということになります。

         

        【3.仮想通貨と海外】

        1億円以上の有価証券等を所有している方が国外に転出する場合に対象となる

        「国外転出時課税」という制度があります。

        仮想通貨がその「国外転出時課税」の対象有価証券となるか、という議論がありますが、今のところは対象資産に該当しないようです。

        また、昨年1月から、「CRSに基づく金融口座情報の自動的交換制度」により、

        課税当局が非居住者の金融口座の情報を交換する制度が実施されていますが、仮想通貨の口座情報については、自動交換制度の対象外となっているようです。

        (ただし、要請された場合には情報交換の対象になるということです。)

         

        【4.まとめ】

        上記の通り、仮想通貨に対する税務上の取り扱いは整理されてきましたが、

        まだまだ、明確でない点が多いため、情報等を更新する必要があります。

         

         

        参考:国税庁「仮想通貨に関する税務上の取り扱いについて(FAQ)」

        税務通信 3492号、3519号

        (担当:税理士 伊藤 健司)

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