┌┬───────────────────────────2020年1月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第97号
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└──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 https://www.ht-tax.or.jp/
辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする
「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 贈与税の配偶者控除は損?得? ■□
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【1.贈与税の配偶者控除は損?】
婚姻期間20年以上のご夫婦間で、ご自宅の土地及や建物(購入する金銭も含みます)を贈与しても、最大2,000万円(基礎控除額110万円を加えると2,110万円)までは贈与税がかからない制度があります。
路線価が毎年上昇していたバブル時代は、この制度をご利用されるご夫婦は大変多かったのですが、最近は、以下の理由により、あまりご利用される方がいらっしゃいません。
(1) 路線価が毎年急激に上昇していない
(2) ご夫婦の間では、1億6,000万円までの相続は、相続税がかからない
(3) ご自宅の土地を相続すれば、330平方メートルまで8割引きになる
(4) 相続で取得すれば、不動産取得税はかからないし、登記の費用も安い
何も生前にわざわざ贈与しなくても、相続で取得したほうが得というご判断をされるからです。
【2.贈与税の配偶者控除は得?】
(1) 居住用の3000万円特別控除の観点から
将来ご自宅を処分する計画がある方は、居住用財産の3,000万円特別控除の枠が、贈与することにより、2人分になり、6,000万円の売却益まで譲渡所得税がかからなくなります。
親から相続した土地に住んでいらっしゃるような方は、買った値段がわからない場合が多く、売却代金のほとんどに譲渡所得税がかかってしまいますので、
適用の検討の余地があります。
(2) 特別受益の持ち戻しの免除
生前の贈与を特別受益といい、特別受益を考慮して相続分を計算するのが
原則ですが、今回の民法改正で、婚姻期間20年以上のご夫婦間の自宅の贈与は、特別受益の対象から外れることになりました。もめそうなご相続の場合は、適用の検討の余地があります。
【3.家屋も贈与したほうがいいケースがある】
建物は時の経過により減価していくので、贈与しない場合がありますが、
居住用の3,000万円特別控除を受ける場合や、贈与の際の不動産取得税の軽減を受ける場合には、建物の贈与が必要となりますので、ご注意ください。
上記のほかに、相続開始前3年以内の贈与の適用を受けない、相続の順番が不動産を所有していない配偶者が先になりそうな場合、ご自宅が100坪を超える広大な土地である等、有利になるのか、不利になるのかはケースバイケースですので、まだ、適用されていらっしゃらない方は、是非担当者にご相談ください。
(担当:税理士 宮村 百合子)
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