┏◆◇━2020年6月━◇◆
◆┛
┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第51号◇
◆┓
┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛
会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。
このミニ情報をご覧いただき、円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を
実現していきましょう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
遺言を利用した事業承継の留意点及び対策方法について
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
新型コロナの影響による自粛が少しずつ解除され、以前の生活に戻りつつある状況かと思います。
この新型コロナの影響は、日常の私たちの生活スタイルを変えるだけでなく、
考え方も変えるきっかけになりました。
例えば、いつどこで何が起こるか分からない状況下において、今まで「遺言」など全く考えていなかった方が、この機会に作成したいと考える方が増えてきております。
今回は、その「遺言」を利用した事業承継の留意点及び対策方法について
お伝えさせていただきます。
【1 遺言を利用した事業承継の留意点】
事業承継ではその事業(会社)を誰に引き継がせるかを決定すると同時に、
承継方法
(譲渡、贈与、相続又は遺贈)も併せて決めていきます。この承継方法の1つである遺言(遺贈)は、先代経営者が生前に自分の意思を表示するものではありますが、
先代経営者の保有財産のうち、自社株式が大半を占めることが多いため、遺留分を侵害するケースが散見されます。
この遺留分を侵害しないようにすることが、遺言を作成する上での留意点となります。
せっかく先代経営者が自分の意思として遺言を残したにも関わらず、遺留分侵害により相続人間の争いが生じてしまっては、元も子もありませんので、その留意点を事前に防ぐ方法を下記に記載致します。
【2 遺留分侵害に対する対策方法】
遺留分権利者が相続開始後(死亡後)、遺留分侵害額請求権を行使すると、
遺留分侵害額相当額を「金銭債権」によって負担することができるようになりましたので、そのことを踏まえて、資金を事前準備しておくことも1つの方法です。
しかし、多額の資金を要すること、相続が開始するまでに株価が変動することから、必要な資金の額を把握できない可能性があるため、現実的には厳しいように思えます。
その対策方法として「遺留分の事前放棄」「除外合意」「固定合意」があります。
これらは、先代経営者が生前に行う必要がありますが、相続開始後の争いを生前に解決できる方法として有用なものとなりますので、遺言を作成する際は、株式を円滑に承継させる方法として活用していただければと思います。
・遺留分の事前放棄
家庭裁判所の許可が必要となりますが、相続開始前でも、各相続人が遺留分を
放棄することができます。
・除外合意
後継者が贈与を受けた株式等について、後継者を除く相続人が、将来、遺留分
を主張できなくなるため、株式等の分散を防止できます。
・固定合意
将来の遺留分侵害額請求に対応した価額賠償の額が固定化されるため、
後継者は
これに対応した準備をすることができます。
新型コロナの影響は、まだまだ油断できない状況が続きますが、
この機会に遺言書作成を考えられた方は、ぜひ、
辻・本郷 税理士法人へご連絡下さい!
(担当:根本 久雄)
■辻・本郷 税理士法人
■本メールマガジンに関するお問合せ先
発行責任者:楮原 達也
連絡先:03-5323-3608
Eメール:shokei@ht-tax.or.jp
受付:辻・本郷 事業承継法人部
(c)HONGO・TSUJI TAX & CONSULTING ALL Rights Reserved