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        ┌┬───────────────────────────2018年4月

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        │└┼┐  資産家のための資産税ニュース 第76号

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        └──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/

         

        辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が

        相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする

        「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。

        (※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)

         

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        ■□ 大きく変わった!事業承継税制 ■□

         

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        今年の桜は早かったですね。

        すっかり散ってしまいましたが、代わりに新緑眩しい季節となりました。

         

        こうして季節が移ろうように、自然に次世代へ会社を承継させていきたい。

        そうお考えの社長様も多いと思います。

        今日は平成30年度税制改正の目玉『事業承継税制の特例』について

        簡単にご紹介します。

         

         

        【1.現状】

        非上場会社の株式を後継者へ承継させる場合に生じる贈与税または相続税を、

        一定の要件の下で猶予するという納税猶予制度。

        後継者が贈与税や相続税の負担のために、事業活動を継続できなくならないように設けられた制度です。

        会社オーナーさんにとっては魅力的な制度に思えますが、平成20年にこの制度が施行されてからこれまで、累計で約2,000社しか利用していないのです。

        対象となり得る会社が約400万社と言われていますから、実に2,000社に1社しか利用していないことになります。

        それくらい、使い勝手が悪いと言われる制度であったわけです。

         

        【2.改正内容】

        そこで今回、「特例」として、新たに5つの特徴を加えた制度が導入されました。

        (1) 対象となる株式数

        (従来) 発行済議決権株式総数の2/3まで

        (特例) 後継者が取得した株式の全て

        (2) 納税が猶予される割合

        (従来) 80% (贈与の場合は100%)

        (特例) 100%

        (3) 承継パターンの拡大

        (従来) 1人の先代経営者から1人の後継者へ1:1の承継のみが対象

        (特例) 先代経営者以外からの承継も対象、後継者は3人まで対象

        (4) 雇用確保要件の緩和

        (従来) 承継後5年間は平均8割の雇用維持が必要で、

        維持できなかった場合はその時点で納税猶予打切り

        (特例) 維持できなかった場合は一定の書類を都道府県に提出すれば、

        納税猶予は継続

        (5) 譲渡(M&A)・解散・合併等した場合

        (従来) 原則、猶予税額全額を納付

        (特例) その時点で株価を再計算して、差額は減免

         

        【3.効果】

        (1)(2)により、猶予税額は最大で2倍近くも多くなります。

        (3)で柔軟性が高まりました。

        (4)(5)は将来リスクへの不安を軽減させました。

        という訳で、すっかり見直された事業承継税制ですが、従来と同じく、

        利用するにあたっては税金に限らない、総合的かつ慎重な検討が必要です。

         

        【4.手続き等】

        この特例は平成30年1月1日から平成39年12月31日までの贈与、相続を対象とした期限付きの制度です。

        そして重要なポイントは、

        「平成30年4月1日~平成35年3月31日までに一定の申請書を提出しておく必要がある」という点です。

        とりあえず、この申請書を出すだけ出しておく、というのも手かもしれません。

         

        4月2日に中小企業庁から申請書類の様式などが公表されました。

        ただし、詳細な 申請の手引き、記載例などは、今後、順次掲載予定とのこと。

         

        具体的な手続きはこれから、という感じですが、平成35年3月31日までに申請書を提出しておくかどうか、まずはこの点からご検討してみてはいかがでしょうか?

         

        (担当:税理士 井口 麻里子)

         

         

         

         

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