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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
コロナの影響を吹き飛ばそうと高級国産車で勝負するベトナムのビングループ
ぶっちゃけ、新型コロナウィルスの感染防止で「世界の優等生」と注目されてきたベトナムであるが、8月に入るや感染者が急に増え始めた。
それまで感染者は400人程度で、死者はゼロであったのが、今や感染者は1000人に近づき、死者も8人となった。
日本や世界と比べれば、依然として優等生の範疇に入るだろうが、感染症対策に自信を見せていたベトナム政府は早速、新たな都市封鎖(ロックダウン)に着手した。
感染者が急増したのは中部のダナンであったが、同市はもちろん完全封鎖となり、首都のハノイや南部の商業都市ホーチミンでも外出制限が早々に宣言された。
こうした素早い対応は共産党一党支配という政治体制のなせる技と言えそうだ。
そんな中、ベトナム最大のコングロマリットである「ビングループ」の2020年前半の収支報告書が明らかになった。
同グループの傘下にはスーパーマーケット、ショッピングモール、リゾート・不動産開発、病院・学校経営、スマホの製造販売と多様な企業が軒を連ねている。
昨年からはベトナム初の国産自動車の製造販売も開始。
会長のファム・ブオン氏はベトナム最大の資産家である。
そんなブオン会長の経営手腕は折り紙つきで、人口が増え続け、間もなく1億人になる国内市場の先行きを視野に、昨年末には別のスーパーマーケットチェーン大手と合併。
その狙いはビジネスを自動車とスマホの製造販売に集中するためと思われる。
実際、昨年6月から販売の始まった国産車「ビン・ファスト」の売り上げは年末までに6万7000台と好調であった。
また、次世代通信システム5G対応のスマホの売り上げも順調に伸びていた。
そこに降って沸いたのがCOVID-19である。
ベトナム政府は1月末には中国との国境を封鎖し、外国との往来をストップすることで国内感染を食い止めたはずであった。
しかし、日本をはじめ海外との物流や投資もほぼ中断してしまい、その経済的影響は想像以上に大変なようだ。
当然、贅沢品の売れ行きは激減することに。
外国製の自動車と比べれば、国産の「ビン・ファスト」は売れている方だが、当初の予想通りには行っていない。
その結果、今年前半の収益は対前年比で6割減となってしまった。
とはいえ、強気のブオン会長は高級車「ビン・ファスト・プレジデント」の導入を発表。
富裕層の増加率では中国やインドを凌駕し、世界最高のスピードを誇っているベトナムである。
ぶっちゃけ、「転んでもただでは起きぬ」気概を感じさせる。
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