今週のお薦め作品「罪の声」「パピチャ」10月30日公開
今週は邦画と洋画を各1本紹介します。
邦画は昭和の未解決事件「グリコ事件」をモデルに念入りな取材を基に塩田武士が書き下ろした小説「声の罪」の映画化。真相はこうだったのかと思えるくらいなリアルな作品。監督は「麒麟の翼」「ビリギャル」等で評価の高い土井裕秦。エンターテインメント性もあり楽しめる作品。主演は事件の真相を追い求める記者役で小栗旬、子供の頃に脅迫電話の声を使われた中年男性役で星野源。W主演の二人が真相を追求していく。
洋画の推薦作は「パピチャ 未来へのランウェイ」めずらしいアルジェリア映画です。
イスラム原理主義の台頭で暗黒の10年と言われた1990年代のアルジェリアを女子大生の視点から描いた問題作。女子大生のネジュマはファションデザイナーを夢見ている。イスラム原理主義者は女性にビジャブの着用を強制する。そんな時代に命がけでファッションショーを仲間達と計画する。この映画は女性差別の抑制の開放をテーマにしていると言われ、アルジェリア本国では上映中止となった。まだ本国では上映されていないが、特別処置でアカデミー賞国際長編映画賞の代表が認められ、フランスではセザール賞の新人監督賞と主演のリナ・クードリが有望若手女優賞を獲得した。この問題作は見る価値のある作品である。