┌┬───────────────────────────2021年2月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第110号
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└──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 https://www.ht-tax.or.jp/
辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする
「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 相続税・贈与税の一体課税について ■□
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現在、相続税と贈与税の一体課税についての議論がスタートしています。
これはどういうことかといいますと、110万円まで非課税で贈与できる暦年贈与を廃止して、生前に贈与した財産を相続税として課税しなおすというものです。
例えば、財産が1億円、相続人は子供1人というAさんの場合、子供に相続税が1,220万円かかります。このAさんの相続税の計算で使われる税率は30%です。
相続税は、亡くなった方の財産の額に応じて10%~55%の税率で課税されます。
そこで、現在どのような相続対策が行われているかというと、生前贈与により
相続税よりも安い税率で贈与を行うというものです。
上記のAさんが300万円を子供に贈与する場合、19万円の贈与税がかかります。
一般的に、相続税よりも贈与税の方が税負担が重いと思われがちですが、この場合、300万円で19万円の贈与税ですから約6%の負担となり、Aさんは相続税30%よりも
安く資産を移転できることになります。
ここに待ったをかけたのが一体課税の議論です。現行でも「相続人等にされた
3年内の贈与」は持ち戻しの対象ですが、もし一体課税が実現すると、3年を過ぎた場合であっても、Aさんが子供に贈与した300万円はAさんの相続財産に戻されて、結局は30%の相続税がかかることになります。
一体課税の議論は始まったばかりで、わからないことばかりです。
何年分遡るのか?持ち戻される対象は相続人だけなのか?全部申告しないと
いけないのか?マイナンバーと銀行口座を結びつけないと把握が難しいのか?
タンス預金が増えるのか?などなど、疑問点は多くあります。
贈与を検討している方は、今年は少し多めに贈与した方がいいかもしれません。
今後の議論に注目していきたいと思います。
こちらの内容につきましては、辻・本郷 税理士法人のYouTubeチャンネルでも
お話ししておりますので、ぜひ一度ご視聴いただければと思います。
税制改正!?相続税・贈与税一体課税で暦年贈与がなくなる?
(担当:税理士 山口 拓)
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