日露呈した危機管理能力の欠如➁
令和3年5月28日
村田光平
(元駐スイス大使)
ストップ・ザ・もんじゅ代表の池島芙紀子様から映画「カタストロフィー破滅を防ぐためにー」の贈呈を受けました。
添付したチラシに内容が総括されておりますが、日本が直面する危機の深刻さが改めて認識され、衝撃を受けます。
日本の将来を考える上で避けて通れない諸問題が提起されており、極めて有意義な作品です。
原発安全神話が福島事故で崩壊したにもかかわらず、「原子力村」は残存・温存し、地震・津波・火山大国の日本に54基の原発を建設した「巨大な過ち」の反省は見られません。特に日本のエネルギー政策において、核燃料政策の破綻が現実になったにもかかわらず不道徳な原子力を温存する姿勢が見え見えであることに驚くのみです。エネルギー政策は変えず、原発を存続させるなど、関係責任者は人間失格の誹りを受けだしたのもむべなるかなです。
幸い日本の潮目は変わり出しております。不道徳の永続を許さない天地の摂理、換言すれば歴史の法則、悪事を暴く老子の「天網」の存在が益々実感される世の動きです。原子力独裁には人力だけでは立ち向かえません。「大悪事 世直しコロナ立ち向かう」のように総力戦が求められます。権力、財力の最大の敵は倫理です。三国志でも国王に最も必要なのは「徳」であると書かれております。
東京五輪の不道徳振り、無責任振りは目に余ります。その中止決定から始まると予見される日本の一新は再稼働の禁止を手始めに、再処理の禁止及び脱原発の国際化への動きに向かう潮流を生むことが期待されます。特に再処理工場のソ連、米、英、仏における大事故発生後世界各国が再処理から撤退している中で、危機管理の能力が問題視される日本のみが再処理を続けることは到底許されるものではありません。
皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。