今週のお薦め作品 6月11日公開「ブラックバード」
ALSに侵され、身体の自由が利かなくなるリリーは、自分の身体が動くうちに安楽死を選択する。最後の週末にリリー夫婦の住む海辺の家に長女ジェニファーの家族、次女アナと恋人、リリーの親友リズが集まる。本作は安楽死の是非を問う映画ではない。安楽死を決めた母とその家族の愛の物語である。誰もが避けて通れない終末の生き方を描いた感動作である。2大オスカー女優スーザン・サランドンとケイト・ウィンスレットが初共演でみせる白熱の演技は見ごたえがある。もう一つの驚きは監督がロマンチックコメディの傑作「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェルということだ。ロマンチックコメディの大家が素晴らしいシリアスなドラマを作り上げた事にも注目してほしい。