Vol.221 2021/08/06
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
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オリンピックは最先端の科学技術を駆使しての
メダル獲得競争の場
ぶっちゃけ、オーストラリアの一部の選手たちの評判はめちゃくちゃだった。
実物大の動物のマスコット人形を盗んだと思えば、
部屋の壁に穴を開けたり、飲み過ぎたせいか、あたりかまわず
嘔吐物をまき散らすというやんちゃぶりの連続だった。
特に、悪行三昧に走ったのはボートレースとラグビーの選手だったらしい。
謝罪の記者会見を行ったオーストラリア選手団の団長曰く、
「若者にはありがちな破廉恥な行動だった。不名誉なことだが、皆、反省しているので、勘弁してやって欲しい。
彼らは成長の過程にいるわけで、これを契機に立派な大人になることを期待する」。
選手が選手なら、団長も団長といったところであろうか。
とはいえ、オーストラリアのボートレース選手がやけくそになったのも一理ありそうだ。
というのは圧倒的な強みを見せつけた中国やアメリカのチームは官民挙げて最先端の技術を駆使して、自国の選手のパフォーマンスを上げるための支援体制を組んでいたからである。
例えば、中国チームは宇宙ロケットの打ち上げに使われている
誘導システムによるシミュレーションで空気抵抗をなくし、
スピードを最大限まで高める訓練を重ねてきていた。
1万キロの先の標的を正確に破壊するICBM(大陸間弾道弾)の慣性誘導システムを人体に組み込んでいるというから、
オーストラリアにとっては最初から勝負にならない。
金メダルを手にした中国チームの選手は宇宙ロケットの飛行士と同じように、水や風の動きに即応できる訓練を積み重ねてきたという。
もちろん、アメリカの選手団はNASAの支援を得て、中国チームに負けないような訓練を受けた上で、特殊な素材による
競技ウェアを身に着けて勝負に挑んでいる。
こうした国家挙げてのメダル獲得体制を組んでいるチームと対戦したのでは、いくら踏ん張っても勝てないだろう。
そんな悔しい思いがオーストラリアの選手たちの気持ちを荒立てたのかも。
確かに、コンマ1秒を争うような競技ではアスリート個人の能力を超えた部分が勝敗を決することになる。
もはや人間の枠を超え、サイボーグの戦いと言っても過言ではない。
そうした現実に直面し、憂さを晴らすように、酒を飲んで大騒ぎをし、ベッドや壁を壊したオーストラリアの選手の方がひょっとして人間らしいと言えるのかも知れない。
オリンピックのスローガンである
「より早く、より高く、より強く」は本来、生身の人間が
競い合ってのこと。
ぶっちゃけ、クーベルタン男爵が理想としたようなオリンピックはもはや望めそうにない。
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