┌┬───────────────────────────2021年9月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第117号
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辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする
「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 平成の「老老相続」の後に控える令和の相続とは ■□
~人口動態統計からの考察~
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【1.令和2年の出生数・死亡数】
この9月に厚生労働省から公表された「人口動態統計(確定数)」によると、
令和2年の出生数は84万835人、死亡数は137万2755人で、
自然増減数(出生数-死亡数)はマイナス53万1920人でした。
令和2年はコロナ禍初年度でしたが、前年比の増減数が大きい死因は、
増加は「老衰」で前年比1万577人増、減少は「肺炎」で前年比1万7068人減、新型コロナウィルス感染症を死因とする死亡数は3466人、と公表されています。
平成以降、「少子高齢化」がしばしば問題視されていますが、
およそ30年前、平成元年の出生数は124万6802人、死亡数は78万8594人で、自然増減数は45万8208人とまだプラスでしたが、
平成17年に自然増減数がマイナスに転じて以降、徐々に勢いを増しながら
人口減少の道を辿っています。
ちなみに、高度成長期の出口・第2次ベビーブームと言われる1970年代前半は、出生数は200万人台、死亡数は70万人台で、自然増減数は年約130万人のプラス、となると、半世紀とはいえ隔世の感があります。
【2.平成から令和にかけての相続税の課税件数は?】
それでは、平成以降、相続税の課税件数も年々増加していたのでしょうか。
国税庁の公表によると、平成元年~平成26年の課税件数は年4~5万件で推移し比例した増加は認められず、平成27年以降に年10万件~11万件と急増しています。
この動きは「少子高齢化」によるものではなく、相続税法の改正によるもの、
つまり、平成元年以降は相次ぐ税制改正で課税が緩和されたため増加が緩やか、
平成27年以降は税制改正で課税が強化されたため課税件数の急増に繋がった、
と考えられます。
ただし、「高齢化」の事実は否定できず、昨年の政府税調の資料によると、
相続税の申告において「被相続人」の年齢が80歳以上である割合は、
平成元年が38.9%、平成30年が71.1%であったということです。
これは、近年の相続がまだ「高齢化」すなわち「老老相続」の段階であり、
たとえば今の相続人が「被相続人」になる頃には、
「高齢化」に加え「少子化」の影響が相続税の課税状況にも現れている、
と考えたほうがよさそうです。
【3.「老老相続」の後に控える「おひとりさま相続」】
現行の相続税は、法定相続人の数が少ない場合に相続税の負担が高くなり、
また、きょうだいや甥・姪が相続する場合には相続税が2割増になるため、
「少子化」は、各ご家庭が負担する相続税額に大きな影響を及ぼします。
したがって、相続人がお子さまお一人である「おひとりさま相続」や、
お子さまがいなくて甥・姪などが相続する「おひとりさま相続」の場合には、
ご自分たちが残してもらったほどには次の世代には残せないかもしれない、
と覚悟しておくべきでしょう。
昭和の「お家騒動」、平成の「老老相続」、令和の「おひとりさま相続」と、
どの時代にも相続の悩みは尽きませんが、「おひとりさま相続」の場合には、
せめて価値のあることにご自身の財産を使って欲しい、との思いから、
公益への寄附や、財団・社団等の設立により大切な財産を次の世代に繋ぐ、
そのような行動を起こす方が増えています。
争族でもない、節税だけでもない、新たな形での「相続対策」を、
いちどじっくりと検討してみてはいかがでしょうか。
私たちがお手伝いさせていただきます。 (担当:税理士 前田 智美)
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