┏◆◇━2022年2月━◇◆
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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第71号◇
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┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛
会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。
このミニ情報をご覧いただき、
円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を実現していきましょう。
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事業承継を円滑に行うための遺言の活用について
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事業承継において、その事業(会社)を誰に引き継がせるのかを決定すると同時に、
その承継方法(譲渡、贈与、相続または遺贈)についても、併せて決めておく必要があります。
今回は、円滑な事業承継を行うための一つの方法として、「遺言」を活用した
事業承継の対策についてお伝えさせていただきます。
【1.遺言を活用した事業承継】
遺言は、先代経営者が生前に、自分の意思を示すものです。
しかし、先代経営者の保有財産のうち、自社株式が大半を占めていて、後継者が、その自社株式を取得した場合には、遺留分を侵害し、非後継者が取得する
財産が遺留分よりも少なくなってしまい、それが原因でうまく事業を承継できないことがあります。
この遺留分を侵害しないようにすることが、遺言を作成するうえでの留意点となります。
遺留分とは、相続人における最低限の相続の権利を保障するものであり、
その権利者は、相続開始後(死亡後)にその請求権を行使すると、遺留分を侵害した金額に相当する額を「金銭債権」として請求することができます。
【2.対策方法】
この遺留分の問題への対策方法としては、下記の3つが考えられます。
これらは、先代経営者が生前に行う必要がありますが、相続開始後の争いを生前に解決できる方法として有用なものとなりますので、遺言を作成される際には、自社株式を円滑に承継させる方法として活用を検討していただければと思います。
・除外合意
後継者が贈与を受けた一定の自社株式について、将来の遺留分から除外して
計算する旨を事前に合意するものです。
・固定合意
後継者が贈与を受けた一定の自社株式について、将来の遺留分の額を贈与時の時価に固定することについて事前に合意するものです。
・遺留分の事前放棄
これは、相続の開始前に非後継者自身が家庭裁判所に申立てをして許可を受ける 必要がありますが、このように事前に遺留分を放棄することによって、相続後の 自社株式の分散等を防ぐことができます。
【3.遺言の種類】
遺言にはいくつかの種類がありますが、ここでは、主なものとして、
「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」について説明します。
・公正証書遺言
公正証書遺言は、公証役場の公証人が作成して、公正証書の形で残す遺言書です。
公文書として扱われるため、文書の真正を担保することができます。
原本が公証役場に保管されるため、遺言書の破棄、隠蔽、改ざん等の心配がありません。
また、家庭裁判所における検認の手続きが不要のため、相続人の負担が少なくて済みます。特定の誰かに特定の財産を確実に渡したい場合などに有効です。
・自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者が全文を自筆で書く遺言書です。
(平成31年の改正により、財産目録については自筆が不要になりました。)
相続発生後、遺言書を家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません。
他の遺言に比べて費用や手間もかからず、気軽に作成することができますが、
その反面、作成要件が厳格に定められており、不備がある場合には、
無効になって しまうことがあります。
また、自宅で保管をしていた場合には、紛失や破棄、隠蔽、改ざん等の危険があります。
※自筆証書遺言書保管制度
法務局で自筆証書遺言を保管する制度が創設・施行されています。
これにより、遺言書の紛失や破棄、隠蔽、改ざん等を防止し、遺言書の存在の
把握が容易になり、相続手続きの円滑化が見込まれます。
法務局で保管されている遺言書については、家庭裁判所での検認が不要となります。
この機会に遺言の作成を考えられた方は、是非、辻・本郷 税理士法人へご相談ください!
(担当:寺澤 由衣)
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