今週のお薦め作品 4月8日公開「親愛なる同志たちへ」
日本では黒沢明原案の「暴走機関車」の監督として知られているロシアの巨匠アンドレイ・コンチャロフスキーが84歳にして自身の最高傑作を作り上げた。1962年6月1日労働者蜂起のノボチェルカッスク事件が起きた。ソビエト連邦崩壊まで真実が隠された悲劇である。この事件発生から3日間を祖国を信じ民生委員を務める女性リューダを通して描いている。祖国への愛を信じつつも母であることの苦悩は、究極の決断をする。民衆弾圧と隠ぺい工作は今のウクライナ侵攻にも通じており、今見るべき作品と言える。
最後に本作はヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞したことを付け加えたい。