┌┬───────────────────────────2022年5月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第125号
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└──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 www.ht-tax.or.jp/
辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする
「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
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■ 成年年齢の引き下げで、新成人への4月1日以降の贈与がお得に?! ■
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民法改正により成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、令和4年4月1日に18歳19歳に達している方は、その日から新成人となります。
これに伴い、今年の新成人の方への贈与は、贈与の日付によって税額の違いが
生じますので、ご紹介します。
【1.贈与税の税率の違い】
(1) 特例贈与財産と一般贈与財産
贈与税は、贈与をする方と贈与を受ける方の関係性により、税率が異なります。
祖父母や父母などの直系尊属から、贈与年の1月1日において
18歳以上(2022年3月31日までは20歳以上)の子や孫などの直系卑属への贈与は特例贈与といいます。
例贈与に該当しない贈与を一般贈与といいます。
例えば、兄弟間、夫婦間、未成年の子や孫などへの贈与は一般贈与に該当します。
(2) 具体的な税額の違い
特例贈与財産は一般贈与財産の税率より低く設定されているため、特例贈与に
該当する場合には、一般贈与の場合よりも贈与税を低く抑えることができます。
例えば、年間500万円を贈与する場合、特例贈与の場合の税額は48万5千円で
あるのに対し、一般贈与の場合の税額は53万円となり、4万5千円の差額が生じます。
なお、贈与額が410万円以下の場合には、特例贈与と一般贈与の間に贈与税の
差額は生じません。
【2.年齢基準の落とし穴】
民法改正による成年年齢引き下げに伴い、2022年4月1日より特例贈与の
対象となる年齢も20歳から18歳に引き下げられました。
これにより、18歳19歳の方への2022年中の贈与は、4月1日以降に行った方が、贈与税が抑えられることとなります。
ただし、特例贈与に該当するかどうかは、贈与年の1月1日における年齢で
判断するため、令和4年1月2日以降に18歳になった方への贈与は、令和4年中は特例贈与の対象とはならないことに注意が必要です。
【3.孫へ多額の贈与を行う場合には、遺言書の作成も検討を】
現行では、相続で財産を取得する相続人等に対し相続開始前3年以内に行った
贈与については、相続税の計算上、その贈与財産が相続財産に加算される、
いわゆる「生前贈与加算」という制度があります。しかし、相続で財産を
取得しない方へ贈与した財産については、この生前贈与加算の対象となりません。
そのため相続税対策として、相続人ではない孫・ひ孫等に対して贈与を行う方が
多くいらっしゃいます。
この場合の注意点は、相続時に遺産分割を巡り相続人間でもめないよう、
遺言書を作成しておく必要があるということです。相続人ごとの子どもの数の
差により、相続人の一家ごとに考えると贈与の合計額が異なることがあるため、
生前は不満を口にしなかった相続人たちが、遺産分割の話合いの時になり
過去の不公平感を主張し、もめるケースを多く見ているためです。
これは、あらかじめ各相続人に対する財産の遺し方を、遺留分を考慮した上で
遺言書により定めておけば、避けることができるトラブルであるといえるでしょう。
多額の贈与を行う場合には、相続まで見据えて専門家に相談されることを
お勧めします。
(担当:税理士 原 有美)
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