奥 義久の映画鑑賞記
2022年8月
*私自身の評価を☆にしました。☆5つが満点です。(★は☆の1/2)
2022/08/06「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」☆☆☆★
1993年巨匠スティーヴン・スピルバーグが恐竜に命を吹き込んで描いたスリリングな映像体験は2022年最終章としてスピルバーグが製作総指揮を務めて、恐竜と人間の闘いの新たなる途を描く。本作では「ジュラシック・パーク」シリーズのレジェントの3博士が揃って戻って来る。主人公はもちろんオーウェン役のクリス・ブラットとクレア役ブライス・ダラス・ハワード。この二人に3博士のローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、サミ・ニールが競演。豪華メンバーで最終章が描かれる。
2022/08/11「L.A.コールドケース」☆☆☆★
伝説のHIPHOPスター2人の未解決暗殺事件を追うラッセル・プール刑事とジャック・ジャクソン記者の行動を描いたクライム・サスペンス。本作は当時のニュースフィルムも織り交ぜてドキュメンタリータッチで描いていく。LA市警の暗部に迫る中、プールは地位も家族も失いながら真相に迫ろうとする。プール刑事の正義を追い求める姿を熱演しているのは、ハリウッドのトップスター・ジョニー・デップ。事件解明に協力する記者には、アカデミー賞受賞俳優のフォレスト・ウィテカー。二人の名優の演技が傑作サスペンス映画を生み出した。
2022/08/14「TANG」☆☆☆
妻に捨てられたダメ男の健と記憶を失くした迷子のロボットの道行が人生の再生へ導いていく。笑顔と感動で描くファミリー向けエンターテインメント作品。健を演じるのは、今や日本を代表する若手演技派俳優となった二宮和也。その妻絵美に満島ひかり、姉役に市川実日子、他に小手伸也、奈緒、武田鉄矢が共演している。監督は今が旬といえる三木孝浩で本作と「今夜、世界からこの恋が消えても」「アキラとあきら」と話題作が立て続けに公開される。本作ではCGも多用されており、特に近未来の深圳のシーンは注目したい。
「今夜、世界からこの恋が消えても」☆☆☆★
三木孝浩監督作品。同日に2作品を比較出来たたが、さすがに青春恋愛映画を撮らせたらNO1都の評価通りの出来ばえといえる。
主人公の真織は事故の影響で前向性健忘となり、一晩寝ると前日の事がすべて忘れてしまう。真織はその日の出来事を日記に記録し、毎朝目覚めた時に日記を読み返すことで記憶をつなぎとめていた。そのため恋人透との出来事も日記に頼っていた。毎日楽しい思い出をくれる透にも人には話せない秘密があった。真織役の福本莉子と透役道枝駿佑、真織の親友泉に古川琴音、真織の両親に野間口徹、水野真紀、透の父と姉には萩原聖人、松本穂香が演じている。涙腺が緩む作品である。
2022/08/17「プアン/友達と呼ばせて」☆☆☆★
巨匠ウォン・カーウァイ総指揮、バズ・プーンピリヤ監督最新作。サンダンス映画祭で審査員特別賞に輝き、タイ映画史上歴代興収第一位に輝いた青春ロード・ムービー。余命宣言を受けたウードはケンカ別れした親友のボスをNYからタイに呼びつける。ウードは元恋人達を訪ねる旅の同行を頼む。旅の終わりと思った日、ウードはボスの人生を左右したもう1つの物語を語り始める。ボス役にトー・タナポップ、ウード役はアイス・ナタラットのW主演で描く青春映画の傑作がタイから誕生した。
2022/08/19「アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台」☆☆☆☆★
1985年にスウェーデンで起きた史実に基づいた出来事を映画化。
スウェーデン俳優ヤン・ヨハンソンの体験をフランスを舞台に移し、エマニュエル・クールコルが監督・脚本を務めた。囚人たちのワークショップの演技講師エチエンヌは不条理演劇の名作サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」を演目と決めて指導する。エチエンヌの情熱が刑務所外の公演を実現させ、予想外の評価を得る。そして、フランスの大劇場パリ・オデオン座からオファーが届くことになる。そして、最後の舞台を前に思わぬ出来事が起きる。
エチエンヌ役はコメディアン出身で国民的スターになったカド・メラッド。カドの演じるエチエンヌのラストは見ごたえがある。
本年の3本の指に入る傑作。
2022/08/30「NOPE/ノープ」☆☆☆★
「ゲット・アウト」のジョーダン・ピール監督の最新作。ロサンゼルス近郊の牧場を受け継いだOJは父の事故死が信じられず、一瞬目撃した飛行物体の謎を解き明かそうと考えていた。妹のエメラルドは飛行物体の動画配信を考えていた。やがて起きる怪奇現象は最悪の奇跡となってくる。OJ役は「ゲット・アウト」でも好演したダニエル・カルーヤ、エメラルド役はキキ・パーマーが演じている。ピールの作品は観てて楽しめる。