┌┬───────────────────────────2022年9月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第129号
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└──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 www.ht-tax.or.jp/
辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
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(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 暗号資産投資と税金 ■□
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ビットコインが年初から40%以上下落するなど、暗号資産に冬の時代が
到来しています。保有する暗号資産を売却しようか、このタイミングで
新規投資をしようか迷っている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は暗号資産にかかる税金のお話です。
【1.暗号資産の売却に伴う税金】
暗号資産を売却すると雑所得として所得税の対象となります。雑所得の
ため、利益が出ていれば給与所得等と合算される総合課税の対象です。
逆に損失となった場合には、給与所得等とは通算できず、切り捨てです。
FX取引では分離課税で、損失が生じた場合には3年間の繰越が可能で
あることと比較しても、暗号資産に係る税制は納税者にとって不利な状況と
言えます。
なお、雑所得内での内部通算は可能であることから、暗号資産で損失が
出た場合には、最近の円安で為替差益が出ている外貨預金の円転は有効な
対策の一つです。
【2.暗号資産を保有したまま相続が起きると】
被相続人から暗号資産を相続で取得すると相続税の対象となり、相続税
申告における評価は、あくまで相続開始時期の時価です。上場株式のように、
相続開始日を含む過去3か月の平均時価を採用することはできません。
また、相続財産を相続開始後3年10ヶ月以内に売却した場合には、売却した
財産に対して課税された相続税相当額を取得費に加算できる「取得費加算の
特例」という制度があります。
相続後に上場株式を売却した場合にはこの特例が使えますが、暗号資産は
対象外です。多額の含み益がある暗号資産を相続し、その後に相続人が売却
した場合には、最高税率で相続税55%と所得税・住民税55%となり、
評価額に対し110%の課税がされてしまうことも想定されます。
【3.税制改正はされるのか】
暗号資産においては個人に対する税制の問題のみならず、法人税における
課題もあり、ブロックチェーン技術などデジタル分野における有能な人材の
海外流出が起きています。
一般社団法人日本暗号資産取引業協会など業界団体からは税制改正要望も
出されており、今後の展開が注目されています。
(担当:税理士 鈴木 淳)
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