今週のお薦め作品 6月2日公開「怪物」
「万引き家族」の名匠・是枝裕和がフランス、韓国で作品を作り、5年ぶりに日本映画の監督として戻って来た。脚本はいつものように是枝監督が書かず、「花束みたいな恋をした」の脚本家・坂元裕二、そして音楽は世界で活躍した坂本龍一。最初で最後(坂本龍一が亡くなったので)の最高のコラボレーションが誕生した。
映画は3章構成で最初は母の視点、次に教師の視点、最後が子供の視点から描かれている。いじめ問題の証言の嘘が一人の教師を破滅に追いやる。誰もが持つ(?)こころの怪物をテーマにした異色作。主演は安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子、高畑充希、中村獅童の実力派揃い、黒川想矢と柊木陽太の子役の二人も好演している。本作は本年度のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しているが、エンターテインメント性が欠けている。玄人好みの作品といえる。
冒頭に書いたように最高のSTAFFが作りあげた作品なので、エンタメ性には欠けますが推奨作品としました。