┌┬───────────────────────────2023年11月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第143号
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「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 庭園に高い相続税が! ■□
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【1.庭園の評価はいくらですか】
最近、庭園の評価について国税不服審判所で争われた事案がありました。
ある人の自宅が収用等の事業にかかって多額の補償金が入り、数千万円を
かけて庭園を造園しました。その数年後に相続が起こり、この庭園を相続財産に
計上しないで相続税申告をしました。
令和3年頃に調査が行われて、この数千万円の庭園が問題となり、税務署は
令和4年1月25日に相続税を増やす更正処分をしました。
この数千万円の金額は、実際にはマスキングされていて具体的な金額は
分からないのですが、恐らく2,000万円位だと考えられます。庭園の評価は、
精通者意見等を参考にした調達価額の70%で評価するルールになっているので、
1,400万円位で課税されたと思われます。
この処分に納得がいかない納税者は国税不服審判所に審査請求をしました。
【2.納税者の主張は通らず!】
納税者は、「この庭園を一体として売却することはできないので交換価値が
ない。また入場料をとれるようなものではないので使用価値もない。したがって
交換価値等がないから時価もないため0円である」と主張しました。
しかし税務署は、「庭園が自宅敷地にあるからと言って、適正な時価を算定
することができないわけではない。庭園の評価において、入場料を得るという
収益性がないこと等を考慮すべき理由はない。したがってその評価は精通者意見の70%の1,400万円(推定)になる」と反論しました。
審判所は,「その庭園は金銭的に見積もることができるので経済的価値があると認められる。精通者の調達価格の2,000万円(推定)は妥当な金額と認められる」
として税務署の主張を支持しました。
【3.一般家庭の庭園かどうか】
一般家庭の庭園は、自分の趣味等で造られ金銭に見積もることができないので、一般的に評価する必要はないと考えられています。
過去に税務署が約50万円の評価と主張したケースでは、庭園としての価値は
認められないので0円と判断された事例があります。また、購入後2年経たないで相続が起こったケースでは、その購入価額1,200万円の70%の840万円が妥当と判断されました。
特に相続開始3年以内で、1,000万円を超えるような高額な庭園を造園した
場合には一般家庭の庭園ではないと判断されそうです。
(担当:税理士 木村 信夫)
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