Vol.402 2024/12/13
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
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オースティン国防長官のお別れ来日ツアーの狙いは?
ぶっちゃけ、アメリカでは「トランプ・シフト」が急展開を見せています。
大統領の就任式典は来年の1月20日ですが、トランプ氏はアメリカ国内にとどまらず、フランスを訪問し、マクロン大統領や
ウクライナのゼレンスキー大統領とも精力的なトップ外交を始めました。
就任前に実質的な外交に着手するのは異例ですが、トランプ氏の得意技に他なりません。
「アメリカは俺が蘇らせるのだ」という強烈な意思表示でしょう。
一方、表舞台から退場を余儀なくされたバイデン大統領は引きこもり状態のようです。
数々の違法行為に手を染めてきた自分の息子に恩赦を与えることが、最後のお勤めといった感じで、国民からは改めて失望感が広がっています。
そんな中、ハリス副大統領は選挙戦の疲労を理由にハワイで休暇三昧。
恐らく、彼女の政治生命は終わったと言っても過言ではありません。
唯一といって良いほど、気を張っているのがオースティン国防長官です。
今週、「お別れツアー」と銘打って、来日し、石破首相、岩屋外務大臣、中谷防衛大臣らと精力的に面談を重ねています。
注目すべきは、オースティン国防長官の発言です。
曰く「世界は大きく変わりつつある。1週間前と今では全く別の世界だ」。
彼の念頭にあるのは韓国の大混乱とシリアのアサド政権の崩壊に違いありません。
また「ルールを平気で破るような異端者が国際社会をかき乱そうとしている。それは中国だ」と名指しで、中国脅威論を展開。
他にも、北朝鮮やロシアの軍事協力についても厳しく糾弾しました。
これまでは、バイデン政権のソフト路線を代弁することが多かったのですが、数週間でお別れするためか、これまで慎重だった姿勢を一気に爆発させた感があります。
横須賀に停泊中の原子力空母「ジョージ・ワシントン」の艦上では、「インド太平洋地域の安全を力で変更しようとする中国を抑えなければ、台湾危機が発生し、アメリカの同盟国は危機的状況に陥る。そうした事態を食い止めるのは米軍の任務だ」と檄を飛ばしました。
実は、オースティン国防長官の来日に合わせる形で、日米韓、日米比、日米豪の3か国安保協議が別々に開催されたのです。
その直前には台湾の頼清徳総裁がハワイやグアムを訪問していました。
明らかに「台湾有事」を想定し、アメリカとのすり合わせが目的だったと思われます。
トランプ次期大統領は台湾にも日本やフィリピン、インドネシアにも「もっとアメリカの兵器を買え。さもなければ、危機に際して、アメリカは助けないぞ」と脅しをかけています。
オースティン国防長官も本音ではトランプ氏の意向を忖度しているのでしょう。
ぶっちゃけ、アメリカは民主、共和に関係なく、「危機こそ儲けるチャンス」と受けとめていることが、今回のオースティン国防長官のお別れツアーでも確認できた次第です。
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