奥 義久の映画鑑賞記
2025年5月
*私自身の評価を☆にしました。☆5つが満点です。(★は☆の1/2)
2025/05/02「サンダーボルツ*」☆☆☆★
アベンジャーズ不在の世界、人類消滅の危機にアベンジャーズに代わる新チームサンダーボルツが誕生した。マーベル・スタジオの新シリーズ第1作は突然現れた黒い影がNYの街を飲み込み人々を消し去っていった。この危機状況にCIA長官のヴァレンティーナは最強でもなく、ヒーローでもない、ならず者たちが招集された。
サンダーボルツのメンバーに、フローレンス・ビュー、セバスチャン・スタン、ワイアット・ラッセル、オルガ・キュリレンコ、デヴィッド・ハーパー、ハナ・ジョン=カーメンが扮している。アベンジャーズと比較すると小粒なCASTだが、エンターテインメント作品としては一級品。
2025/05/03「花まんま」☆☆☆★
朱川湊人の直木賞受賞作品の映画化。両親を早く失った兄と妹。兄
俊樹は父との約束を守り妹を育ててきた。妹には22年前からの秘
蜜があり、結婚式前夜に兄にその思いを話すが簡単に受け入れら
る話ではなかった。悩み抜いた末に兄は妹のために一大決心をす
る。鈴木亮平、有村架純が兄妹役を演じ、鈴鹿央士、ファーストサ
マーウイカ、六角精児、キムラ緑子、酒向芳らの芸達者が脇を固め
る。見ごたえのある感動作が出来上がった。
2025/05/06「来し方、行く末」☆☆☆
リウ・ジアン監督が弔辞作家というユニークな題材で14年ぶりの
新作を発表した。主人公ウェン・シャンは脚本家を目指すがデビュ
―出来ず弔辞の代筆業で生計を立てている。弔辞依頼を書くため
に依頼者との交流で人生を見つめ直していく中でウェンは再生の
途を歩んでゆく。ウェンを演じるのは国民的スターの胡歌(フー・
ゴー)、彼の心の中に住むシャオインにウー・レイ(呉磊)、二人
は3度目の競演で息もピッタリで地味な本作品の見どころになっ
ている。
「カウントダウン」☆☆☆★
香港映画史上最大のディザスター(災害)映画。電子廃棄物の中に高濃度セシウムがあり、漏洩を香港上空には熱帯低気圧が発生。雨が降ると水でセシウムが拡散し香港が全滅する。香港の街を救うため環境汚染の専門家ファンと前線で活動する消防隊が協力して、災害防止作戦を展開する。ファンを演ずるアンディ・ラウ以下バイ・ユー、カレン・モク、ケニー・ウォン、フィッシュ・リュウ等の香港映画のオールスターキャストで描く超大作エンターテインメント作品。
2025/05/12「パディントン 消えた黄金境の秘密」☆☆☆★
前2作で世界興行収入900億円と言う大ヒットシリーズ最新作。
本作では故郷のペルーから育ての親ルーシーおばさんが元気がないとの知らせが届き、パディントンとブラウン一家は家族旅行でペルーに行くことになる。ペルーに着くとルーシーおばさんが失踪、家族旅行が一転、おばさん探しの冒険旅行となる。今回はレギュラーメンバー以外にアントニオ・バンデラス、オリヴィア・コールマンがCASTに参加。ファミリーで楽しめる冒険活劇であり、ペルーの大自然とマチュピチュ遺跡も堪能できる作品です。第4作の制作も決まったとの事で、パディントンファンには朗報です。
2025/05/13「リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界」☆☆☆☆★
モデルから報道写真家に転身したリー・ミラーの実話の映画化。リーの作品は真実を伝えたい気持ちから人間の残酷さも撮り続けており、今でも貴重な歴史的記録として評価されている。この偉大な写真家役に彼女の生き方に感銘を受けたケイト・ウィンスレットが製作総指揮も兼ねて主演している。「タイタニック」のヒロイン・ローズを演じてから26年後に本作での熱演でゴールデングローブ賞にノミネートされた事は嬉しい限りと言える。ケイトの演技をを見る価値があるが、それ以上に、今なお世界では戦争があり、その中で戦争の醜さと哀しみを命がけで報道したリーの物語は必見の作品と言える。