BIS論壇No.482『BIS忘れ得ぬ出会い』中川十郎25年6月5日

今年はBIS（日本ビジネスインテリジェンス協会）を1992年に創設以来３4年になる。

「継続は力なり」ということばを実感として味わっている今日この頃である。

この間のBIS情報研究会への国内外の参加者累計は17,000人、講師750人に達する。BISでの筆者の忘れ得ぬ出会いについてこの機会に思い出をまとめておきたい。

筆者の好きな言葉に尊敬する「あいだみつお氏」の「その時の出会いが！」という言葉がある。34年の間には多くの出会いと別れがあった。今回は物故された方々を中心に感謝を込めて思い出を綴ることとしたい。

 

1977年7月 ブラジル・リオデジャネイロ駐在中にご縁ができた小野田寛郎・元陸軍情報将校とは日本帰国後も35年以上もご指導を賜り、BIS顧問として親しくご指導を頂いた。（詳細は添付追悼文を参照願いたい）。日本におられる限り、町枝夫人ともども熱心に情報研究会にご参加いただき、特に諜報情報についてご指導を賜った。小野田少尉の口癖は「その情報の出どころはどこか。情報源は信頼に値するか精査せよ」であった。

 

JETRO理事長を務められた豊島 格氏は元通産省貿易局長を務められた。1975年日本ブラジル貿易使節団一員として河本通産大臣に同行、リオデジャネイロをご訪問。歓迎パーテイには夫婦同伴で参加せよとのことで妻も着物姿で参加した。豊島局長はお父上が筆者と同郷の鹿児島だとのことでパーテイで急に親しくなった。このご縁でBIS創設時、顧問をお願いした。豊島氏の奥様は小泉元首相の姉上で、小泉元首相の義理の兄にあたる。

JETRO理事長時代は国際ビジネスインテリジェンスに関し、多くの情報専門家をご紹介いただき、公私ともに大変お世話になった。我が家の書斎の一番の本棚は豊島氏から、名著ごと頂いたものである。筆者の東京経済大学教授退官記念パーテイではこころ温まる御挨拶を頂き感激したことを思い出す。

 

戦略インテリジェンス研究の第一人者たる青山学院大学・石川 昭 教授とは東京経済大学創立100周年記念パネル討論会でご一緒したことでご縁ができ、長年にわたりBIS顧問として親しくご指導を頂いた。BIS創設20周年記念に筆者が石川昭教授と 編著で出版した『知識情報戦略』（税務経理協会）、英文著書“Knowledge Information Strategy”（Ｓingapore World Scientific）では石川 昭教授に 一方ならぬお世話になった。

リオデジャネイロ、サンパウロで大変お世話になった平野文夫総領事はウルガイ、ス―ダン大使としてもご活躍されたが、ご帰国後、BIS顧問として外交経済情報に関し、ご指導を頂いた。さらに外務省欧亜局長、ポーランド大使、ベルギー大使、東京経済大学教授を歴任された兵頭長雄大使にはことのほか親しくご指導を頂いた。                  （つづく）