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        ┌┬───────────────────────────2025年9月

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        │└┼┐  資産家のための資産税ニュース 第165号

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        └──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 www.ht-tax.or.jp/

        辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が

        相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする

        「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。

        (※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)

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        ■□ “株特外し”のスキームは封じられるのか? ■□

         

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        昨年、M&A準備中の非上場株式の相続税評価に対して、

        総則6項(財産評価基本通達の例外、国税の「伝家の宝刀」)が適用された事案で、

        令和6年10月28日の東京高裁の判決では納税者が勝訴(確定)したというのが

        記憶に新しいところですが、

        これと同じように総則6項が適用された、令和7年1月17日東京地裁判決(納税者勝訴)の控訴審(東京高裁)では、令和7年6月19日に判決が言い渡され、逆転で納税者敗訴という結果になりました。

         

        【1.事案の概要】

        ある人が亡くなり、その方が持っていた会社の株を相続した人たちがいました。

        この株の評価額について、当初は1株1,853円として相続税を申告しました。しかし、税務署はこの株の評価方法が適切ではないと考え、国税庁長官の指示を受けて、別の方法(純資産価額方式)で評価し直し、1株3,433円としました。これにより、相続税の金額が増えてしまったため、相続した人たちはこの税務署の決定がおかしいと訴えた、という裁判です。

        最初の裁判では相続人たちの主張が認められましたが、国側がそれに不服として、さらに上の裁判所に訴えを起こしていました。

        【2.“株特外し”について】

        この裁判では、「株特外し」という特殊な対策が関係しています。

        被相続人が亡くなる直前に、臨時で会社の株主総会を開き、配当を出したり新しい株を発行したりすることを決めました。これにより、通常であれば相続税の評価額が高くなる“比準要素数1の会社”や“株式等保有特定会社”に該当しなくなり、一般の評価会社として“併用方式”で評価されることになったのです。

        結果として、株の評価額が下がり、相続税を減らすことができました。

         

        【3.東京高裁の判断】

        東京高裁判は、最初の裁判の判決を取り消し、相続人たちの訴えを退けました。

        つまり、税務署の決定は正しかった、という判断です。主な理由は以下の通りです。

        (1) 相続税法22条(時価評価の原則)に違反するかどうか

        相続税法では、財産は「時価」で評価すると決められています。今回の税務署が

        算定した株の評価額(1株3,433円)は、監査法人が算定した額(1株3,488円)や、

        実際に株を売買した際の価格(1株3,976円や1株3,736円)と比べても、

        高すぎるものではないため、この法律には違反しないと判断されました。

         

        (2) 平等原則に違反するかどうか

        税金をかけるにあたっては、すべての人に公平であるべきだという「平等原則」があります。通常、税務署は決められた評価方法(評価通達)に従いますが、例外的に別の方法を使うことがあります。それは、「他の納税者との間で、税金の負担が不公平になるような事情がある」場合に限られます。

        今回のケースでは、

        ・もし「株特外し」の対策をしていなければ、相続税が約9.7億円も増えていたこと。

        ・亡くなる約3ヶ月前から、証券会社の提案を受けて、相続税を減らすための対策を  計画的に行っていたこと。

        これらのことから、相続人たちが相続税を減らすことを意図してこの対策を行ったことは明らかであり、この対策を認めると他の納税者との間で著しい不公平が生じるため、税務署が別の方法で評価したのは正しかったと判断されました。

         

        これらの理由により、東京高裁は、税務署の決定は法的に問題ないと結論づけました。

         

        【4.今後の見通し】

        東京高裁は、相続税の負担軽減対策を行った場合の評価について、その割合が

        5割以下でも、税額を総合的に考慮し判断するという基準を示しました。これは

        今後の判断においても参考になると思われます。

        ただし、今回の件はすでに納税者側が上告しており、最高裁で再逆転となる可能性もあるため、今後のさらなる展開が注目されます。

         

        また、株式評価の方法について、会計検査院から、公平性や社会経済の変化を考慮し「様々な視点からより適切なものとなるよう検討を行っていくことが肝要」との指摘(令和6年11月6日「令和5年度決算検査報告の概要」)もあることから、非上場株式の相続税評価について改正がなされるのか、そしてそれはいつなのか、こちらも目が離せない状況となっています。

        (担当 :税理士 清水 一史)

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