奥 義久の映画鑑賞記
2025年7月/8月
*私自身の評価を☆にしました。☆5つが満点です。(★は☆の1/2)
2025/07/01「アスファルト・シティ」☆☆★
犯罪と暴力の街NYハーレム。そのなかで活躍するNY消防局の救急救命隊員の姿を描く。新人のクロスは救命隊員として働きながら大学の医学部進学を目指す、バディのラットはベテラン隊員で凄腕の評判。毎夜ハーレムの街をかkwめぐる姿はドキュメンタリー映画を観ているようなリアルさがある。そのリアルさがグロステックに移り、本年で一番嫌いな映画である。ラット役のショーン・ペンとクロス役のタイ・シェリダンの熱演は評価したい。
2025/07/04「罪人たち」☆☆☆☆
1930年代禁酒法の時代が舞台。南部の田舎町に帰って来た双子の兄弟スモークとスタックは一攫千金を夢みてダンスホールをオープンする。酒と音楽でにぎ合う店に招かざる客がやって来る。ヴァンパイアたちだ。陽の上がる朝まで生き残る事はできるのか?
題材、シチュエーションはB級映画だが楽しめる作品であり、双子を演じるマイケル・B・ジョーダンの好演が光る。
2025/07/12「スーパーマン」☆☆☆★
ヒーローの原点スーパーマンが新たなスタッフとキャストで宿敵レックス・ルーサーとの戦いの物語を描く。2022年からDCスタジオの共同代表になったジェームズ・ガンが監督・脚本・製作の3役を務める。
「マーヴィラン 伝説の勇者」☆☆☆★
自らが描くマンガのヒーローのように巨悪と闘うことを夢見る漫画家サティヤだが、気弱な性格で何も出来ない。ある時妹の危機を救うため立ち上がる決心をする。主人公のキャラクターはユニークだが、いつものインド映画らすく楽しめる仕上がりだ。
2025/07/13「DROP/ドロップ」☆☆☆★
マッチングアプリで知り合ったデート相手をその場で殺せと命じられれる。息子を人質に取られシングルマザーが追い込まれる。
絶対絶命のシチュエーションから逆転劇が楽しめる傑作スリラー。
2025/07/25「ハルビン」☆☆☆★
1909年祖国独立を目指す安重根は敵国日本の首相伊藤博文暗殺のためハルビンに向かう。史実に基づくサスペンス・エンターテインメント。主人公安役はヒョンビン、伊藤博文役で日本からリーリー・フランキーが特別出演して、画面を引き締めている。
2025/08/09「アイム・スティル・ヒア」☆☆☆☆☆
本年度アカデミー賞国際長編賞受賞作。1970年、軍事政権下のブラジルで起きたルーベンス・パイヴァ失踪事件の映画化。軍に連れ去られたルーベンスの行方を追い続けた妻エウニスと家族の物語。本作は国家暴力よりも残された家族の痛みに焦点をあてている。ヒューマンドラマの傑作であり、ブラジル映画史上初の作品賞にもノミネートされた。ヴェネツィア国際映画祭では脚本賞、ゴールデングローブ賞ではエウニスを演じたフェルナンダ・トーレスが主演女優賞に輝いた。
今、ブラジルでは再び軍部のちからが強くなっている。この状況下において本作は世界中の人々に鑑賞して欲しい作品と言える。
「入国審査」☆☆☆☆
移住のため、NY空港に降りたカップルがパスポート確認後に別室に連れていかれる。個室での2次審査は答え一つに人生が左右されるものであり、二人の過去やプライバシーにもふみこまれていく。監督の実体験をもとに17日間で撮影された低予算映画だが、世界各国の映画祭で新人監督賞等の受賞をした極上の心理サスペンスである。
2025/08/11「ジュラシック・ワールド 復活の大地」☆☆☆☆★
映画史に残る大ヒットシリーズの7作目。大手製薬会社が恐竜のDNAを採取して人類のための特攻薬を作る。このDNA採取のミッションに腕利きの工作員ベネットとダンカンが招かれる。目的地は恐竜の研究施設があった無人島を目指す。主人公ゾーラ・ベネット役は本シリーズの出演を熱望していたスカーレット・ヨハンソン、相棒ダンカン役はアカデミー賞を二度手にした名優マハーシャラ・アリ、「ウィキッドふたりの魔女」でブレイクしたジョナサン・ベイリーが考古学者役を演じている。シリーズの中でも最高ぼノンストップ・アクション・エンターテインメント作品に仕上がっている。
2025/08/13「TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション」☆☆☆★
TVの人気シリーズの映画化第2弾は、MERの全国展開に伴い、鹿児島・沖縄地区の南海MERが舞台となる。南海MERに東京MERのチーフドクター喜多見とナース蔵前の二人が指導官として出向中だった。半年の試験運営の最終日に諏訪之瀬島の火山が大爆発する。喜多見と蔵前は経験不足の南海MERのメンバーを率いて島民を救うため諏訪之瀬島に向かう。島民たちの絆と南海MERの活躍が大惨事に立ち向かう感動のエンターテインメントを楽しめる作品。
2025/08/16「鬼滅の刃 無限城編第1章」☆☆☆★
大ヒット作ということで予定外の鑑賞をしたが、さすがに記録的な興収が嘘でない面白さ。無現城の作りも想像以上で、クリエイターの才能を評価したい。
今回の鑑賞は孫と一緒に行ったが、孫は3回目。後2回は観たいという。これ言葉でいかに本作を支持しているかがわかる。
2025/08/17「雪風 YUKIKAZE」☆☆☆★
駆逐艦は戦艦、空母と比較して小型で軽量のため脇役扱いだが戦当時は小回りがきくので魚雷戦等での活躍が出来、また輸送船の護衛艦としても活躍した。その中でも“雪風”は多くの戦闘でも生き残り「幸運艦」と呼ばれた船である。その活躍を史実に基づいて描いた作品であり、戦争後の未来への希望につながる物語である。
竹野内豊と玉木宏の好演が光る。
2025/08/23「バレリーナ THE WOARD OF JOHN WICK」☆☆☆☆
ジョン・ウィックと同じ組織ルスカ・ロマで殺しのテクニックを磨いたイヴは、幼い頃に殺された父の仇を討つために組織の掟に背き謎の集団に立ち向かう。謎の暗殺教団と長年の不可侵条約を結んでいるルスカ・ロマはイヴの元にジョン・ウィックを送る決断をする。ジョン・ウィックの世界に誕生したヒロイン・イヴが見せるノンストップ・アクションは迫力満点。イヴ役のアナ・デ・アルマスとお馴染みのジョン・ウィックメンバーが最高のアクション映画を誕生させた。
2025/08/25「ランド・オブ・バッド」☆☆☆★
孤立した新人軍曹をサポートする後方支援の無人機を操縦するベテラン大尉。現代の戦闘と脱出作戦を描くリアル戦闘アクション映画。ベテラン大尉役のラッセル・クロウはさすがにうまい。
2025/08/28「大統領暗殺裁判 16日間の真実」☆☆☆★
軍事クーデターで大統領になった朴大統領が側近の中央情報部長に暗殺されるという韓国の闇歴史は「KCIA南山の部長たち」で映画化され大ヒットした。その後の暗殺者の軍事裁判をモデルにしたのが本作であり、「王になった男」のチュ・チャンミン監督が主人公を暗殺者の中の唯一の軍人であるパク・フンジュ大佐においた。本裁判は軍事裁判であるため一審のみで刑が確定する。軍人である以上は命令には絶対服従でなければならない。彼の立場を理解し、救おうとする弁護士と絶対的に処刑を支持する黒幕との戦いが描かれている。裁かれるパク大佐に本作が遺作となったイ・ソンギュン、弁護士役にチョン・インフ、黒幕の合同捜査団長役にユ・ジェミョンという韓国の実力派俳優の競演は見ごたえがある。
2025/08/29「愛はステロイド」☆☆☆★
愛と暴力をテーマにステロイドを加味した本作はいかのも注目作を制作・配給するA24の作品らしい。あらゆる映画賞に44ノミネートされ、デヴィッド・リンチの再来と言われるローズ・グラス監督のテンポの良いアクション・エンターテイメントである。
2025/08/30「ベスト・キッド レジェンズ」☆☆☆
カラテ・キッドシリーズ最新作。過去の主人公を演じたラルフ・マッチオとリメイク版の師匠役のジャッキー・チェンの二人が空手とカンフーの師匠として主人公の高校生を助け、真のファイターとしてトーナメントを勝ち抜いていく映画である。2人のレジェントに敬意を表して鑑賞したが、内容がパターン化して新鮮味がない。
「パルテノペ ナポリの宝石」☆☆☆☆★
「グレート・ビューティー/追憶のローマ」でアカデミー賞を獲得した巨匠パオロ・ソレンティーノの最新作。
人魚の名でナポリの街を意味する“パルテノペ”と名付けられた美しく聡明な女性は、仲の良かった兄の自死をきっかけに自由と愛を求めた人生を送る。美しい女性の半生を詩情豊かに絶景の南イタリアを舞台に名匠が描く。パルテノペを演じるセレステ・ダッラ・ポルタの美しさも特筆に値する。








