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        白馬会議2025年11月15-16日(主催:白馬会議運営協議会 後援:世界経済評論)

        の印象記                               井川紀道

        元世界銀行グループMIGA長官

        日本ビジネスインテリジェンス協会顧問

         

        はじめに

        今回で18回目となる白馬会議は、市川周氏が「西のダボス、東の白馬」を標語に、高い理念を掲げて始めたものである。本年の会議は、『戦後80年、日本はこれからの世界でどう生きて行くのか?』というテーマのもとで開催された。19歳から90歳までの幅のある参加者は、冠雪した白馬3山の頂を眺め、長野オリンピックの中心的拠点であった白馬樅の木ホテルで温泉に浸かり、リフレッシュして、2日間にわたり、忌憚のない意見交換と白熱論議を繰り広げた。以下は包括的な報告ではなく、個人的な印象記である。(敬語も省略させていただいた。)

         

        主要セッション

        主要セッションの登壇者は、1.米大統領選挙に出馬したこともある、アジア・インスティチュート理事長のエマニエル・パストリッチ氏(「アメリカと日本の出会いと未来」)、2.直前の東洋経済にレアアース記事の投稿もした郭四志帝京大学特任教授(「米中覇権争いが激化するなかでの日本の立ち位置及び対中戦略」)3. 強気エコノミストとしてその精緻な分析に定評のあり、白馬会議の常連である(2015年「グローバル資本主義と日本経済」で登壇)武者リサーチの武者陵司氏(「日中狭間で問われる日本独自の世界構想力」)であった。

        セッションでは、ます、パストリッチ氏がアメリカ人でありながらアジア文化に精通した立場でトランプ政権に批判的な視点からの問題点を整理した。日本にはアメリカが混乱状態になった場合の対応策は存在しないとの指摘や黄禍論の脅威にも言及している。次いで、郭四志教授は、日本での長い研究・教員歴を踏まえ、民主主義を含め、日本ならではの文化・ソフトパワーや技術的優位性を発揮すべきとの提言を行った。最後に、武者氏は米国経済の強みと、過剰供給能力を抱える中国経済の問題点を鋭く指摘した。特に、トランプ関税政策や、DEIとSDGs軽視は、株主資本主義の論理に立つと、極めて合理的であるとし、空前のAI革命(NVIDIAとM7)が米国経済優位を強めたと論じた。そして、強いアメリカの復活は世界秩序再構築につながり、その反面、専制国家を排除した世界秩序構築が加速するとした。

         

        ナイトスピーチ

        恒例のピアノの生演奏付きカクテルセッションとデイナーの後には、4名のナイトスピーチがあった。1.地域経営プラチナ研究所の平尾勇氏は松本市に関与したときの実体験を紹介し、地域創生における組長の役割の重要性について述べた。2.元福井地裁裁判長の樋口英明氏は、原発事故が国の存立を危ぶませる可能性があったことを改めて想起させた(2023年『どうする原発』において、「原発訴訟での司法の役割」で登壇)。3.アフガンウェブの野口壽一氏は学生時代からの関わりとアフガンとその難民の問題について語った。4.参議院議員・元埼玉県知事で白馬会の常連である上田清司氏(2022年「危機の日本政治」で登壇)は、このほど国民民主党に50人目の国会議員として正式に入党したとの報告のあと、手取りを増やす問題についての国会でのやり取りについて語り、役所と自民党は嘘をつかないが、本当のことを話さなかったと苦言を呈していた。

         

        ウェークアップ・スピーチ

        翌二日目は、ウェークアップ・スピーチから始まり、1.株式会社ありがとうアメリカ株式の川田重信氏が、欧州等の他の市場が相対的に狭隘であることから米国株式は長期に上昇する宿命にあると論じた。配当を含め年率10%成長するという。2,県立大阪大学教授の七田良彦氏はトランプ関税で自動車が影響を受ける広島の地域戦略について語った。広島には造船を含めあらゆるものが揃っているが、決定打を欠くよし。3.当方井川紀道は、米国の援助の大幅削減のもと、日本の開発援助と防衛予算の強化に絡み、日銀保有のETF売却益(潜在的に40-50兆円)も活用すべきとした。4.主催者の市川周氏は木曽宿街道バス事業構想を打ち上げ、地域バスと観光バスの二兎を追う対策を論じた。

         

        結びに

        このように、ナイトスピーチとウェークアップ・スピーチのうちかなりの論者が地域創成に絡むテーマを語ったように、我が国経済の先行きを語るうえで、地域の発展を抜きには論じられないということであろう。

         

        また、今回のメインテーマの講師3人のうち2名が外国人(米国、中国)であったが、世界のなかで日本がどう生きるかを論じる際に、それぞれが日本人にはない視点から問題提起をしていたので、議論が深まったといえる。国際問題を論じる際には、日本人だけで、日本の論調だけで、行ってはいけないということが白馬会議からのひとつの教訓であろう。

         

        最後に、2026年の白馬会は、11月14-15日の予定である。

        できるだけ多くの方が白熱論議に参加してくださいますように、個人的にも、祈念しております。

         

         

        以上

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        • ACデザイン
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