「中国と組んでもメリットなし」トランプが暴いた中国陣営の「弱点」2026年1月9日16:00 竹内智子 ・江南タイムズ
引用:ゲッティイメージズ・コリア
ニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領が米国に身柄を拘束され、
中国の友好国保護能力の限界が露呈したとの指摘が出ている。中国は一帯一路(陸上・海上シルクロード)政策をユーラシア・アフリカから中南米に拡大し影響力を強化する一方、米国中心の秩序の亀裂を狙ってきた。しかし、ベネズエラや昨年のイランのように、中国と密接な関係にある国々が相次いで米国の圧力を受ける中で、中国は友好国を守る具体策を示せなかった。外交筋は「米国のマドゥロ逮捕により、中国は『台湾強制併合』に一歩近づいた可能性があるが、一方で『中国と同じ立場に立つのが正しいのか』という友好国の疑念を解消する課題を抱えることになった」と語った。
ベネズエラは中国の中南米一帯一路拡張の拠点であり、中国外交において政治・安全保障・経済全般を包括する最上級パートナーの一つだ。米国の急襲の数時間前には、習近平国家主席の特使がカラカスの大統領官邸でマドゥロと会談していた。しかし中国は言葉で米国を批判するにとどまり、マドゥロを守る具体的な行動には出ていない。昨年、米国が継続的にベネズエラに軍事的圧力をかけた際も、中国からの武器支援は行われなかった。昨年6月、米国がイランの
主要核施設3カ所を精密攻撃した際も、
中国の対応は外交にとどまり、軍事や物資面での支援は行われなかった。
ドナルド・トランプ米大統領は中国との正面対決を避けつつ、中国の友好国への攻撃を続ける姿勢を見せている。彼がベネズエラの次の標的として挙げたキューバも、中国と社会主義路線を共有し戦略的パートナー関係を結んだ友好国だ。キューバは昨年6月からトランプ政権の制裁を受けており、米国は同国をテロ支援国家と定義し、
観光を事実上封鎖、金融取引も制限している。
ベネズエラ・キューバとともに中南米の「親中・反米3カ国」とされるニカラグアは、2024年5月に米国の金融制裁で政権の資金源に打撃を受けた。ニカラグアは2020年11月に台湾と断交して親中路線に転換、2023年に中国と自由貿易協定(FTA)を締結後、中国からの
融資に大きく依存してきた。
中国との関係を強化したブラジルも米国の圧力を受けている。
米国は昨年7月、ブラジル産輸入品に最大50%の関税を課し、
ルーラ政権を圧迫してきた。中国はブラジルでニッケル採掘や電気自動車生産への投資を拡大する一方、コーヒー・牛肉・大豆の輸入も大幅に増加させてきた。ブラジルにとって、中国との密接な関係
が利益かリスクか、計算は複雑になり得る。
中国は昨年、上海協力機構首脳会議、中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念軍事パレードを契機に「米国に対抗する陣営」の構築に力を入れた。しかし米国のような軍事同盟体制ではなく、緩やかなパートナーシップを主に構築してきた。米国の制裁対象国を軍事的に守れば、紛争が米中の直接衝突に発展する可能性があり、また中国の貿易・金融・技術網を狙った二次制裁による
コスト増加も考慮される。
中国の盾は事実上、外交戦にとどまる状況だ。
「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」は6日、社説で「米国の武力外交は関税問題よりも中国に大きな不確実性をもたらす可能性がある」と指摘。親中・反米路線を歩む国々がこのリスクを意識し始めれば、中国の対外拡張政策も行き詰まる可能性があるとした。「ロイター」は「中南米諸国は、中国のグローバル安全保障イニシアティブが自国をどのように守るか疑問を抱くことになる
だろう」と報じている読まれています








