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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第118号◇
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会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。
このミニ情報をご覧いただき、
円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を実現していきましょう。
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令和8年度税制改正大綱
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昨年12月19日に自由民主党・日本維新の会から「令和8年度税制改正大綱」が公表されました。
今回のメルマガでは、その中から事業承継・資産承継対策に影響があると考えられる主な改正事項に
ついて、ポイントを絞ってご紹介します。
【1】相続等の直前に取得した貸付用不動産の評価方法の見直し
相続や贈与の直前に購入などをしたマンションやアパートなどの貸付用不動産については、
これまでは路線価などを基に評価されていました。しかし、今回の改正により、相続や贈与の5年以内に
購入などをした貸付用不動産については、原則として「通常の取引価額(時価)」で評価する取扱いに
変更されます。(一定の要件を満たす場合には、取得価額に一定の調整を加えた上でその80%で評価する
ことが認められます。)
これまでの事業承継の実務では、会社が取得してから3年以内の不動産については、非上場株式の
評価において、時価による評価がされていました(いわゆる「3年縛り」)。今回の改正により、個人が
取得した貸付用不動産についても、取得後5年間は同様に従来より評価額が高くなることが想定されます。
この改正は、令和9年1月1日以後に相続や贈与等により取得した財産の評価に適用されます。
【2】不動産小口化商品の評価方法の見直し
複数の出資者で貸付用不動産に投資をする、いわゆる「不動産小口化商品」についても、【1】と
同様に「通常の取引価額(時価)」で評価する取扱いに変更されます。
なお、【1】とは異なり、取得した時期に関係なく、相続・贈与時に保有している不動産小口化商品は
すべて改正の対象となる点に留意が必要です。
こちらも、同じく令和9年1月1日以後に相続や贈与等により取得した財産の評価に適用されます。
【3】事業承継税制の特例承継計画の提出期限の延長
自社株式を後継者に引き継ぐ際に、贈与税・相続税が全額猶予される事業承継税制(特例措置)について、
制度を利用するために必要な「特例承継計画」の提出期限が、令和8年3月31日から令和9年9月30日まで
延長されます。
ただし、制度そのものの適用期限は令和9年12月31日で当初より変更されていません。自社株式の承継に
おいて制度の適用を受ける検討をされている場合は、早めの準備が重要です。
【4】「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」の見直し
高額な所得がある場合に、一定水準以上の税負担を求める仕組み(いわゆるミニマムタックス)について
見直しが行われます。
追加税額を計算する基礎となる「基準所得金額」からの控除額を引き下げ、かつ税率を引き上げることで、
課税が強化されることになりました。
例えば、年間の所得が株式の譲渡所得20億円のみであるとした場合、改正の影響を数式で表すと以下の
ようになります。
■納税額の計算方法
(1)通常の税額
所得税・復興特別所得税:20億円 × 15% × 1.021 = 306百万円…A
住民税:20億円 × 5% = 100百万円
合計:406百万円
(2)追加税額の計算
<現行>
(20億円−3.3億円) × 22.5% = 375百万円…B
※追加税額 B−A=69百万円
所得税・復興特別所得税:(20億円 × 15% + 69百万円) × 1.021 = 377百万円
住民税:20億円 × 5% = 100百万円
合計: 477百万円
<改正後>
改正後は、控除額が減り、税率が30%へ大幅に引き上げられます。
(20億円−1.65億円) ×30% = 550百万円…C
※追加税額 C−A=244百万円
所得税・復興特別所得税:(20億円 × 15% + 244百万円) × 1.021 = 555百万円
住民税:20億円 × 5% = 100百万円
合計: 655百万円
(∴改正前より1.7億円以上の増税になります。)
この改正は、令和9年分以後の所得税について適用となります。
例えば、オーナーが保有する自社株式を、後継者が設立した資産管理会社に譲渡をするなど、高額な
譲渡所得が見込まれる対策を検討されている場合は、追加税額が発生する可能性に留意が必要です。
今回の改正に係る制度の詳細は今後、順次明らかになる見込みですが、後継者への自社株式の
承継などを検討されている場合には、早い段階で影響を整理しておくことが重要と言えます。
最新の動向を踏まえた具体的な影響や対応策については、弊社担当までお気軽にご相談ください。
(担当:野崎 史明)
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