┏━2026年4月━━
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┃■■ 国際資産税ニュース 第50号 ■■
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米国の遺族年金に相続税はかかるのか?
― 2026年2月東京地裁判決を踏まえて ―
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2026年2月25日、東京地方裁判所は米国の遺族年金(ソーシャルセキュリティ)の受給権に対する相続税課税を有効と認定しました(納税者敗訴)。
同日、別の1件でも同様の判決が下されており、米国の遺族年金を課税対象とした初めての司法判断とみられています。
1.事案の概要
商社勤務で米国駐在中に公的年金へ加入していた夫が令和2年に死亡。残された妻が受け取る遺族年金の受給権に相続税700万円が課税されました。
国内の遺族年金は非課税であることから憲法14条の平等原則違反を主張しましたが、国税不服審判所・東京地裁ともに退けられました。
2.なぜ課税されるのか
遺族年金の受給権は相続税法上のみなし相続財産(3条1項6号)に該当します。
厚生年金保険法による遺族年金等については非課税とされていますが、国外の遺族年金にはこれが適用されません。裁判所は平等原則違反の主張についても、「非課税とするかは立法府の裁量」として退けており、立法による手当てがない限り解消されない問題です。
3.実務上の留意点
配偶者以外の相続人も影響を受ける点に注意が必要です。
遺族年金受給権が課税価格に加算されることで、配偶者の税額軽減の恩恵を受けない他の相続人の納税額が増加する恐れがあります。
本件は控訴されたことにより、高裁での判断が今後の実務に大きく影響する可能性があるため、引き続き上級審の動向を注視することが重要です。
米国に限らず公的年金制度を持つ国への赴任経験がある方の相続では、遺族年金受給権という見落としがちな論点についても、早めの確認をおすすめします。
(担当:馬場 寛生)
【参考】
・相続税法第3条第1項第6号「みなし相続財産」
・相続税法第24条「定期金に関する権利の評価」
・東京国税不服審判所 令和6年5月22日裁決
・東京地方裁判所 令和8年2月25日判決 令和6年(行ウ)第184号、令和6年(行ウ)第465号
・2025/4/23 日本経済新聞 「海外遺族年金の相続になぜ課税?」
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