BIS論壇No.514『グローバル・サウス』中川十郎 2026年5月13日
第2期米国トランプ大統領の就任以来、1年4か月。本年初頭のベネズエラ侵攻、大統領拘束。3月のイスラエルと組んだイラン攻撃。キューバ侵攻の脅迫、パナマ、グリーンランド併合発言など、世界は混乱の度を深めている。
スペイン首相、イタリア首相などはトランプ大統領に対し是々非々で批判発言を繰り返している。だが、わが高市首相はトランプに迎合。イラン問題に関しても批判は一切避けている。外務省関係者の米国べったりの精だろう。
本日5月13日より15日まで、トランプ大統領は国賓として中国を訪問する。その動向を十二分にWatchすることが肝心だ。
トランプ大統領のこれまでの高関税政策や、軍事力発動の脅しなどあり、発展途上国の、グローバルサウスは独自の行動を強めている。
5月8日、東南アジア諸国連合(ASEAN)は今年の議長国フリッピンの中部セブで首脳会議を開催。「中東危機に関する首脳声明」、「ASEAN海洋センター」設立に関する「海洋首脳宣言」の主要文書を採択。 中東危機への結束強化を強調した。
中東危機に対応し、平和航行維持のため、「海洋センター」設立の重要性を強調。フィリッピンに同センターを設立する方向で検討されることになった。
一方「中東危機はASEAN各国民を危険にさらす状況下、ASEANの結束と中心性が最も重要」と宣言。
不安定な外部市場への依存度を減らすため、ASEAN加盟国間で電力網を接続し、国境を越えた電力取引を可能とする仕組みの構築。再生可能エネルギー及び原子力を含む代替エネルギーの促進もASEANとして力を入れると表明。
ASEANは7月に外相会議のほか日米中ロ韓など26カ国と欧州連合(EU)が参加するASEAN地域フォーラム(ARF)開催も予定している。ARFは北朝鮮が参加するアジア太平洋地域で唯一の安全保障に関する多国間枠組みでその成果が期待されている。
一方、グローバルサウスでは南米3億人共同市場の(MERCOSUL) が動きだし、南米の
有力国、ブラジルへの接近が勢いを増している。EUは19年にMERCOSULとのFTAに大筋合意。26年5月に暫定発行予定だ。英国は25年、カナダは18年に交渉開始。日本政府も今夏にEPA交渉を目指している。日本が最大の移民を送り出しているブラジルを中心に南米とのEPA(Economic Partnership Agreement)締結に尽力することを期待する次第だ。








