今週のお薦め作品
9月6日公開(新宿バルト9、川崎チネチッタ等)
「荒野の誓い」
久しぶりの本格西部劇に大満足の作品。
監督デビュー作「クレイジー・ハート」でアカデミー賞2部門を受賞した鬼才スコット・クーパーが「ファーナス/訣別の朝」でタッグを組んだクリスチャン・ベール(近作「バイス」でもアカデミー賞ノミネートの演技派)と再タッグを組み男のドラマを作り上げている。物語はインデイアン嫌いの騎兵隊大尉がシャイアン族の偉大な酋長を居留地まで護衛する任務に就く。途中コマンチ族に家族を殺された未亡人が加わる。危険な旅で宿敵同士が協力しあい、乗り越えていく中でお互いにリスペクトする関係へとなっていく。
同行する未亡人役は「ゴーンガール」でアカデミー賞にノミネートされたロサムンド・パイク、この後に「プライベート・ウォー」「エンテベ空港の7日間」が公開される、今が旬の女優である。酋長役にインデアンの名優ウェス・スチューディ。他に「君の名前で僕を呼んで」で大ブレイクしたテイモシー・シャラメも前半だけ顔を出している。特筆すべきは、壮大な原野を美しくとらえたカメラは日本人マサノブ・タカヤナギ。クーパー監督とは3度目のタッグを組み信頼されている。アカデミー賞作品賞受賞の「スポットライト世紀のスクープ」でも奥行を強調した深い画面で高い評価を得ている。これだけのスタッフとキャストが揃った本格西部劇、必見の価値ありです。