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        奥 義久 の 映画鑑賞記
        2020年3月

        *私自身の評価を☆にしました。☆5つが満点です。(★は☆の1/2)

         

        2020/3/01「エスケープ・ルーム」☆☆☆★

        罠がめぐらされた密室からの脱出スリラーというと、1997年製作のカナダ映画「キューブ」を思い描く方も多いいと思う。本作も「キューブ」同様に男女6人が知恵を振り絞り脱出を試みる。「キューブ」と比較するとスケールアップした罠が待ち受けている。灼熱地獄の部屋、極寒の部屋、天地逆転の部屋等々、生きて帰れる参加者はいるのか?出演者は無名の若手俳優が中心。アイデアの面白さで一気読みの本のように最後まであきさせない。既に続編製作も決定したと言う事で待ち遠しい。

         

        「野生の呼び声」☆☆☆★

        100年以上も愛され続けた名作小説を「アラジン」「ライオンキン
        グ」のディズニー映画のクリエーターが製作した。名優ハリソン・フォードと名犬が演じる冒険物語は老若男女誰もが楽しめる作品。

         

        2020/3/02「初恋」☆☆☆★

        ベテラン三池崇史監督発のラブストーリーとの宣伝コピーがあっ
        たが、中身は得意のアクション・エンターテインメントにちょっぴ
        りタイトルの「初恋」がからんでいる。主人公は有望な若手ボクサ
        -だが余命いくばくもないと宣言され茫然と街を歩いていた。そ
        んな時に逃げる少女を追う男をKOするが、なんと警察手帳を持っており、そこから麻薬強奪事件に巻き込まれていく。主人公のボクサー役に窪田正孝、逃げる少女役はオーディションでヒロイン役を射止めた小西桜子、他に内野聖陽、大森南朋、染谷将太、ベッキー、塩見三省、滝藤賢一らの豪華メンバーが揃った。海外での評価も高いだけあって、ノンストップアクションの楽しめる映画だ。

        2020/3/07「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」☆☆☆★

        本作はめずらしいフィンランド映画であり、過去に監督した5本の内4本がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた名匠クラウス・ロハの最新作である。物語は店をたたもうと考えている老美術商が作者不明の素晴らしい絵と出会う。引退前に孫とともに最後のオークションに勝負をかけ、せり落とす事が出来るが資金繰りに追われる事になる。そして署名の無い絵は近代ロシアの国宝級の画家と言われたイリヤ・レーピンの作と思われるが、何故署名が無いのか疑問が深まる。主人公の美術商にはフィンランドの名優ヘイッキ・ノウシアイネンが扮し、渋い演技で魅了する。

         

        「レ・ミゼラブル」☆☆☆☆☆

        第72回カンヌ国際映画祭で「パラサイト」とパルムドールを競った作品。残念ながらパルムドールは逃したが審査員賞に輝いた。舞台はヴィクトル・ユゴーの名作「レ・ミゼラブル」と同じパリ郊外のモンフェルメイユ。ここは犯罪多発地区として知られている。こ50の町に配属された新人警官ステファンは先輩刑事と一緒に巡回する。些細な事件から犯人の初年に怪我をさせた刑事たちは思わぬ展開と衝撃の結末を向かえる事になる。監督のラジ・リはモンフェルメイユ出身であり、この町を良く知っているので緊迫のあるリアリティーな映像で見るものを惹きつける。この映画のラストの方が「パラサイト」のラストよりはるかに現実の怖さがあり個人的には上位の評価をしたい作品である。主人公を演じたダミアン・ボナールと先輩刑事役のアレクシス・マネンティの好演は、さすがに演技派の役者である。

         

        2020/3/08「Fukushima50」☆☆☆☆

        2011年3月11日にマグニチュード9、最大深度7の巨大地震が発生した。この東日本大震災は大津波により福島第一原発を襲い未曽有の危機に直面した。この危機に原発内に最後まで残った約50名(実際には76名)の命を懸けた闘いをレポートした門田隆将の原作を映画化。考えられなかった10M以上の大津波により非常用電源も失った原発は圧力が高まり爆発寸前の危機となる。原発作業員が放棄した場合、東京を含む半径250kmが汚染される。この事実を基に映画化しただけにリアリティーのある作品が生まれた。この危機を救うべき闘った中央制御室の現場責任者に佐藤浩市、福島第一原子力発電所所長で全体の指揮を執る吉田昌郎役に渡辺謙、日本映画を代表する二人がW主演。現場作業員たちに吉岡秀隆、火野正平、平田満、萩原聖人らが演じ、緊急時対策室のスタッフには安田茂美、緒形直人、他に佐野史郎、段田安則、篠井英介、泉谷しげる、斉藤工、富田康子、吉岡里帆等の豪華キャストが忘れてはならない事実の映画化に参加している。地震に直面した被災者の方は観るのが辛いかもしれないが、この真実を知る為にも多くの人が見るべき作品だと思う。

         

        「仮面病棟」☆☆☆

        現役医師で作家の知念実希人原作の映画化。認知症介護病院が実は臓器移植の病院という設定。アルバイト当直の医師速水の前にピエロの仮面をかぶった強盗犯が怪我をした女子大生を連れて侵入してきた。使われてないといわれた手術室は近代設備の手術室であり、怪我のオペをすませる。病院に対して違和感を感じる速水、居座り続ける強盗犯、看護師長の死等が起きて謎が深まる。速水達の脱出は出来るのか?TVでは医療ドラマが多く放映されているが、この作品は医療ミステリーというより、病院を舞台にしたミステリードラマといえる。「Fukushima50」鑑賞後だけに映画の質が低く感じてしまうのは残念。面白い作品だが、DVDで見れば良い作品。

         

        「ジュディ 虹の彼方に」☆☆☆☆★

        47歳で亡くなったミュージカル女優ジュディ・ガーランドの晩年の回想場面をとりいれながら作成した感動の実話。「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズでお馴染みのレネー・ゼルウィガーが厳しいレッスンにたえ、映画の中の全曲を歌いあげている。ラストシーンの「オーバー・ザ・レインボー」はまさに感情移入された絶品の歌。この歌を聞くだけでも必見の価値がある。本年度アカデミー主演女優賞に輝いたことに納得が出来る、名演技と歌唱力が堪能出来る作品。

         

        2020/3/14「ミッドサマー ディレクターズカット版」☆☆☆☆☆

        アリ・アスター監督の大ヒット作の未公開映像を挿入して再編集したディレクターズカット版が13日から公開された。170分という長編になったが通常版とかわらぬ長さに思えたのは、ディレクターズカット版の成功と言える。大きな挿入はダニーとクリスチャンがお互いの気持ちのぶっつかりあいのシーン、この伏線とマヤとの性交の目撃がラストに繋がると思う。もう一つはダニーがジョシュに睡眠薬をもらうシーンの前の場面挿入。これにより、眠れない要因が明確になる。またマヤとの性交の後にクリスチャンが外に飛び出したシーンで通常版のモザイクが外され、局部に付いた血が処女との性交の儀式を表している。総合的に物語の筋がわかりやすくなった分☆を加算して満点評価にしたい。異色のフェスティバル・スリラーだが人間の狂気を描いた傑作。カンヌ映画祭の上位2作品(「パラサイト」「レ・ミゼラブル」)より高い評価を与えたい。

         

        2020/3/15「ロミオとジュリエット」☆☆☆

        英国ロイヤル・バレエ団において400回以上も上演され、20世紀バレエの最高傑作といわれたケネス・マクミラン振付のバレエ「ロミオとジュリエット」が舞台から飛び出し撮影した映像作品。
        プロコフィエフの名曲を楽しみ、画面は舞台を撮影したものと思って見に行ったので、本格的なベローナの街が再現されてオープニングでびっくりしたが、徐々に違和感を感じた。と、いうのはバレエの舞台の再現なので当然なのだが台詞が全くない。台詞の代わりがバレエでの表現になる。最初はどの俳優が誰を演じているのか判らなかったが、ロミオ役、ジュリエット役がわかり、表情と踊りによる進行もなれてはきたが、やはりトーキー映画のようで好きにはなれない。ジュリエット役はミュージカル「キャッツ」の映画化で白猫ヴィクトリアを演じたフランチェスカ・ヘイワードが演じていたので、顔の知らないダンサーだけでなかったことも良かったと思う。

         

        2020/03/20「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」☆☆☆

        悪のカリスマ・ジョーカーの恋人ハーレイ・クインがジョーカーと別れた事で、ハチャメチャなハーレイ・クインに痛めつけられていたワルたちから命を狙われる事になる。そのさなかにダイヤを盗んだ少女と関わり、残忍な悪党ブラックマスクとハーレイ・クインと仲間達が対決することになる。DCコミックの悪のヒロインをマーゴット・ロビーが演じて、漫画的な(原作がコミックだから当たり前?)アクションで大暴れする。敵役のブラックマスクにはユアン・マクレガーが演じ、映画に厚みをもたらせている。時間がある方、気分転換したいかたにお勧めの映画。

         

        「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」☆☆☆☆

        「Mommy/マミー」でカンヌ国際映画賞審査員賞を受賞した鬼才グザヴィエ・ドラン監督が幼い日にレオナルド・ディカプリオに夢中で手紙を書いた経験から誕生した物語。映画の主人公ジョン・F・ドノヴァンは人気俳優。29歳で死んだ。自殺か事故か?
        10年後、注目の新進スター、ルパートが少年時代の秘密の文通を一冊の本として出版。著名なジャーナリストの取材にすべてを語ると宣言する。ジョン・F・ドノヴァン役は「ゲーム・オブ・スローンズ」でブレイクしたキット・ハリントン、文通相手の少年には「ルーム」の演技で天才子役と言われたジェイコブ・トレンブレイ、その母親にナタリー・ポートマン、ジョンの母親役にはスーザン・サランドン、ジョンのマネジャーにはキャシー・ベイツ、
        ジョンと一言語り合う老人役でマイケル・ガンボンが顔を出している。豪華キャストによる演技は必見、そして効果的に使われる挿入曲が素晴らしい。特にルパートと母親サムの心の結びつきを描いたシーンに使われている「スタンド・バイ・ミー」は最高のBGM効果だった。本作はドノヴァンの苦悩、サムとルパートの親子関係、ジョンとグレースの親子関係など複雑な心の葛藤もあり集中して鑑賞しないと難解な部分がある。本当の映画好き向けの作品と言える。

         

        2020/3/21「刺青」若尾文子映画祭

        若尾文子と言っても我々の世代くらいしか知らないと思う。昭和を代表する女優で、大映の看板スターであった。1952年デビュー、1987年市川崑監督の「竹取物語」を最後に銀幕から引退が、2005年行定勲監督「春の雪」に妻夫木聡、竹内結子と共演している。
        約160本の作品に出演して、当時の名監督増村保造、溝口健二、
        吉村公三郎のもと、市川雷蔵、勝新太郎、田宮二郎らと共演。巨
        匠小津安二郎が唯一大映でメガホンを取った「浮草」にも出演し
        ている。1961年と1965年に日本の代表映画賞5冠を受賞、1968
        年「不信のとき」「積木の箱」の演技で3度目のキネマ旬報主演女優賞受賞という快挙を成し遂げた。私生活では1983年世界的な建築家黒川紀章と結婚、紀章が07年になくなるまでおしどり夫婦であった。今回の若尾文子映画祭は2月28日から4月2日までに41作品を1日5本を角川シネマ有楽町で上映する。ぜひ、若い映画ファンにも若尾文子の魅力を知って欲しいと思います。
        (9月28日から10月22日までのアンコール上映も決まっています。)今作「刺青」は谷崎純一郎原作の作品で、商家の娘が手代と道ならぬ恋のため家出し、助けを求めた船宿の亭主の裏切りで芸者に売られ背中に刺青を入れられる。芸者となったお艶は男を迷わす女になっていく。共演は手代に長谷川明男、刺青師に山本学。 若尾の妖艶な女の魅力がこの作品でかみられる。妖艶な女を演じている若尾だが、デビュー5年目に調査したファンレターは74.6%が女性からで、あこがれの存在だったことがわかる。

        「弥生、三月」☆☆☆★

        1986年3月1日から2020年3月31日までの34年間の3月だけを切り取って描く愛の物語。主人公弥生と太郎は高校1年の時に運命的な出会いをする。弥生の親友サクラは難病のため入院、サクラの気持ちを考えると二人はお互いの気持ちを告げることも出来ず別々の道を進むことになる。二人の運命が再び交差した時、東北大震災という悲劇が遅い、弥生は夫を失う事になる。人生のどん底にいた弥生はサクラの残したメッセージを聞き、前向き生きる決意を固める。そこには太郎の姿があった。“3月だけ”というアイディアも面白いが、二人の変わらぬ想いをハッピーエンドで締めくくった30年の歴史は感動的であり、前向きに希望を持ち事を感じさせてくれる。新型コロナウィルスの恐怖の世の中に希望をもたらせてくれる物語を見て欲しいと思う。主人公弥生役は波留、太郎に成田凌、サクラに杉咲花、弥生の夫に小澤征悦、太郎の母に黒木瞳、その他奥貫薫、岡田健史、矢島健一、橋爪淳らが脇を固めている。坂本九のヒット曲“見上げてごらん夜の星”が効果的に使われている。

         

        2020/3/22「シェイクスピアの庭」☆☆☆★

        数々の名作を生みだした文豪シェイクスピアは1613年6月「ヘンリー八世」上演中に劇場が焼け落ちる悲劇に遭う。それを機に断筆したシェイクスピアは故郷に戻り、20年以上の間会う事も無かった妻と子供たちと暮らす事になる。家族との確執や亡くなった一人息子の死の真相を知る等、シェイクスピアにとってつらい出来事が襲ってくる。晩年のシェイクスピアをシェイクスピアに魅入られシェイクスピア作品の多くの演出と舞台俳優・映画監督と主演を演じて来たケネス・ブラナーが演じている。もちろん監督も。シェイクスピアの妻アン役には名優ジュディ・デンチ、イアン・マッケランがサウサンプトン伯爵役で出演している。薄暗い中世の屋敷を表現するため蝋燭の火だけで室内の撮影を行い、臨場感を出している。地味な芝居なので、映画でなく舞台の方が向いているように感じたのは、私だけだろうか?もう1度舞台劇として鑑賞したい。

         

        2020/3/30「ナイチンゲール」☆☆☆★

        この題名で思い出すのは白衣の天使だが、本作はオーストラリアを支配する英軍将校にレイプされ、夫と幼い子を殺された復讐劇である。だが、単なる復讐劇ではなく、性差別、身分差別さらには先住民への迫害も描いており、第75回ヴェネツィア国際映画祭では審査員特別賞と新人俳優賞の二冠に輝いた秀作である。新人俳優賞のアイスリング・フランシオンの熱演もさることながらオペラ歌手でもあるアイスリングが歌うアイルランド民謡は哀しく切なく、この映画を引き立てている。

        制作協力企業

        • ACデザイン
        • 日本クラシックソムリエ協会
        • グランソールインターナショナル
        • 草隆社
        •                 AOILO株式会社

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