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        ソムリエの追言 88 

        「口の中のワイン」

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        ワインを飲んでいて、途中で香りや味が変わってくるのは

        本当にワインの変化だけ!・・・でしょうか?

         

        ワインは栓を抜くと空気に触れて

        香り・味わいに様々な変化が起こる事は皆様も経験があると思います。

        ワインは大体11~15%のアルコール飲料です。

        多く摂取すれば味覚も含めて注意力が散漫になるのは当然ですが、

        「酔い」という事を抜きにしても 自分の舌が渋味や酸味に慣れてくるので、水っぽいワインだとどこか物足りなさを感じたり、

        逆に若くて力が有り余っている、パワフルすぎると感じるワインでも渋味や酸味がちょうどよく感じられるようになる事もあります。

         

        【黒幕はタンニン】

        また別の原因として 赤ワインを多く飲むと歯や舌が真っ黒になりますね。

        これも実は、味わいに影響しています。

        口の中が黒くなるのは赤ワインに含まれるタンニンの影響です。

        タンニンとは、ワインの渋味につながる成分で

        健康に良いポリフェノールのうちの一つです。

         

        何杯かワインを飲んで舌が黒くなってくると タンニンが蓄積して口の中に膜のようなものを作るので 特に口の裏側や歯茎で感じるタンニンのイガイガした感じ(収斂味)が 飲み始めよりも落ち着いてきたように感じる事があります。

         

        試しにご自宅で渋めの赤ワインを飲んでいる時に

        半分ぐらい飲んだところでちょっと歯磨きをしてみてください。

        歯磨き粉は刺激が強いので使わずに、歯ブラシだけです。

        軽く舌も磨いてみると、より効果的です。

         

        さっぱりしたところで改めて同じワインを飲んでみると 磨いた前後では、随分と味が違うように感じられると思います。 恐らく磨いた後の方が渋味を強く、敏感に感じるのではないでしょうか。

         

        私は試飲会場にパンなどの口直しがある時は、 口に入れたパンで舌の上、口の中を拭き掃除するようなイメージで食べています。

        試飲会場でその都度、歯磨きしている時間なんてありません。

         

         

        試飲会ではパンと同じく、水も用意されています。 水差しに冷たい水が用意されていた試飲会も何度かありましたが、 テイスティングに使う水は本来、常温であるべきだと思います。

        冷水では口の中が冷やされてしまうので、味覚も変わってくるのです。

         

        【合わない味×合わない味=?】

        ところで、お寿司屋さんでは多くの方がワインを飲んでいます。

        しかし私には、醤油独特の香味がワインにそこまで合うとは思えません。 ワサビの鼻にツンとくる辛みも、ワインには強すぎるように感じます。

         

         

        ところが、2つを合わせてワサビ醤油にしてみると 不思議なことにワインにぴったり合ってきます。 ワサビの刺激は醤油と合わせる事によって柔らかく感じられ、 また醤油の塩っ辛さは、ワサビと合わせる事でより味に幅を持たせています。

         

        ましてや脂ののったトロや鯖は、 ボルドーの赤ワインがないと食べられないのでは?と思うほどです。同じ寿司でも 醤油だけ、ワサビだけ、醤油とワサビ両方、 食べ方によって口の中に残る味・香りは当然違います。

         

        料理とのマリアージュ、ハーモニー、マッチング・・・言い方は色々ありますが、これもワインを味わう「口の中の変化」と言えるのではないでしょうか?

        ワイン自体の変化とともに ワインを飲んでいる私達の「口の中の変化」も考えてみると いつもと違った楽しみ方が出来るかもしれません。

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