Vol.176 2020/1/10
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
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1.カジノ騒動の裏で見逃されているヤバい現実
ぶっちゃけ、現職の国会議員がワイロを受け取った容疑で
逮捕されるという「カジノ疑惑」で、年末年始はNHKのニュースも民放のワイドショーもにぎやかだった。
何しろ、他にも政治献金や講演謝礼という名目で金品を受け取ったと疑われる議員が後を絶たないため、
野党は「桜を見る会」問題と、新たに浮上した「カジノ疑惑」で安倍政権を追い詰めると新年早々、意気込んでいる。
しかし、与党も野党も大事な視点を見落としているのではないか。
そもそも安倍首相が「カジノ誘致は日本経済復活の起爆剤」と、のろしを上げたのは6年前のこと。
以来、「カジノ議連」を発足させ、安倍首相自ら海外訪問の機会を利用し、各地でカジノの視察を繰り返してきた。
「カジノ議連」は「アメリカ、マカオに次いで、日本を世界第3のカジノセンターにする」と気勢を上げてきたものだ。
安倍首相としても、盟友トランプ大統領の意向もあり、
カジノリゾート構想には大いに期待を寄せている。
トランプ大統領の最大の支援者こそ、ラスベガスやマカオに数多くのカジノを所有し「世界のカジノ王」と異名をとる
エーデルソン氏に他ならない。
しかし、近年、アメリカでもマカオでもカジノの経営不振が目立つようになり、エーデルソン氏は形勢逆転の機会にしたいと、
「間もなくオリンピックが開催され、世界中から観光客が殺到
する日本にカジノをオープンさせたい」との構想を温めてきた。
既に、日本のゲーム機器メーカーやエンタメ企業とも話を進め、横浜を第一候補地として市場調査や関係先への根回しをほぼ完了している。
その過程では、今回、疑念を向けられている「カジノ議連」所属の国会議員よりはるかに影響力のある有力議員への働きかけが行われていた。
要は、エーデルソン氏のカジノが開業すれば、安倍首相はトランプ大統領に大きな恩を売れると踏んだに違いない。
問題は、カジノが経済的恩恵をもたらすことはあり得ないという「厳しい現実」である。
本場アメリカのみならずイギリスでもカジノがもたらしたのは「ギャンブル依存症、犯罪、借金による個人破綻や精神病患者の増加」であり、期待されたような税収の増加や地域経済への恩恵は全くなかった。
欧米での調査によれば、ギャンブル依存症患者の22%は
パニック症状から他人に危害を及ぼし、52%はアルコールの
過剰摂取に走り、72%がうつ病に陥っている。
その対策に政府は多額の予算を配分する必要に迫られているのだが、それこそ「不都合な真実」というわけだ。
ぶっちゃけ、胴元が必ず儲かるように設定されているカジノは日本には相応しくない。
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