Vol.179 2020/03/06
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
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アメリカに広がる“自己中”という名のトランプ・ウィルス
ぶっちゃけ、アメリカでは民主党の大統領候補者選びは急進左派のサンダース氏と穏健中道派のバイデン氏に絞られてきた。
その行方を固唾を飲んで注視しているのは現職のトランプ大統領であろう。
なぜなら、少し前までは「再選間違いなし」と余裕しゃくしゃくだったのだが、新型コロナウィルスがアメリカでも猛威を振るい始め、死者も出てきたからだ。
カリフォルニア州では「非常事態宣言」を発令するまでになった。
先行き不透明感が増す中、ニューヨーク株式市場では株価の暴落が始まった。
「経済に強い」はずの大統領だったが、「このままでは危ない」と思い始めたようだ。
早速、ペンス副大統領を新型コロナウィルス対策の責任者に任命した。
「彼はインディアナ州で知事を務めた時に、医療制度改革を成功させた実績がある」というのが抜擢の説明であった。
しかし、この人事はトランプ大統領得意の「責任転嫁」作戦の一環と思われる。
国内最大の危機となりつつある「COVID-19」騒動である。
本来であれば、最高責任者であるトランプ大統領自身が最前線で指揮を執るべき事態だ。
中国では習近平主席が、英国ではジョンソン首相が、日本でも安倍首相が対策会議を取り仕切っているではないか。
ペンス副大統領はキリスト教福音派の熱心な信者である。
そのためか、彼の最初の行動は、ホワイトハウスに対策チームの幹部を集めての祈祷会であった。
「病原菌が消滅するように皆で祈りを捧げよう」というワケだ。
その様子を見て、インディアナ州知事時代のことが思い出された。
2015年のことだが、インディアナ州でHIVが拡散するという緊急事態が発生した。
病院での注射針の使い回しが原因であった。
しかし、ペンス知事は注射針の使い捨ての決断を数か月にわたってためらった。
当時もペンス知事は「皆で祈ろう。注射針の使い捨ては麻薬の蔓延を助長する」といった意味不明の説明で、緊急事態対応を遅らせてしまい、結果的に多くの人命が失われることになったのである。
いずれにせよ、どうやらトランプ大統領はペンス副大統領を見限ったようだ。
彼とのタッグでは11月の選挙に勝てない。
新型コロナウィルスが収まらない場合を想定し、その責任をペンス氏に被せ、自分は責任回避を図ろうという魂胆としか思えない。
実際、副大統領候補には国連大使を務めたニッキー・ヘイリー女史に白羽の矢を立てているようで、共和党の資金集めパーティーでは彼女の存在が日に日に大きくなっている。
ぶっちゃけ、「自己中」という「トランプ・ウィルス」はアメリカを重篤患者にする一方だ。
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