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        世界の最新トレンドとビジネスチャンス

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        トランプ大統領のアジア歴訪に合わせて実施された北朝鮮の避難訓練:目的はアメリカとの戦争か白頭山噴火への備えか?(前編)

         

                                     浜田和幸

         

        ウェブで読む:http://foomii.com/00096/2017111010000042272

        EPUBダウンロード:http://foomii.com/00096-42844.epub

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         鳴り物入りのトランプ大統領のアジア歴訪。前代未聞の12日間に及ぶ外遊の最大の狙いは北朝鮮の核の脅威をいかに封じ込めるか、その方法をアジア諸国の首脳と協議することであった。最初の訪問地の日本では安倍首相との間で強力な連携プレーが約束された。とはいえ、それで北朝鮮の脅威がなくなったわけではない。

         

         北朝鮮の核やミサイルに対抗するため、日本政府は大量かつ高額なアメリカ製のミサイル防衛システムの追加導入を決めた。アメリカの軍需産業にとって、トランプ大統領ほど頼りがいのある存在はこれまでなかった。韓国でも中国でもトランプ大統領は同行した産業界のリーダーのためにアメリカ製の武器や兵器の売り込みに汗をかいているのである。

         行く先々でトランプ大統領は北朝鮮の脅威に言及した。韓国の国会では「カルトに支配された国。危険極まりない」と北朝鮮を牽制。しかし、肝心の北朝鮮はそうしたトランプ大統領の言動をあざ笑うように「声だけ大きな犬が叫んでいるようなもの」と、一向に動じる様子がない。それどころか、アメリカの軍事行動を想定し、過去に前例のない規模での避難訓練を実施。あくまでアメリカと戦う姿勢を崩そうとしていない。

         外国の外交使節やメディアが駐在するピョンヤンでは表立った動きはないようだが、朝鮮半島東部の地方都市を中心に繰り返し住民の避難訓練が行われているという。こうした地方都市での停電など異常事態を想定した退避訓練はこれまでになかったことである。韓国の軍関係者によれば、「確かに前代未聞の動きだが、驚くに値しない。彼らはアメリカの攻撃が間近に迫っていると危機感を募らせているのだから。事態は深刻化している」。

         

         確かに2003年には空襲警報の下、ピョンヤンで避難訓練が実施されたことがあった。しかし、それ以降、しかも多くの地方都市で大規模な避難訓練が行われたことはない。トランプ大統領のアジア歴訪にタイミングを合わせるように、アメリカの空母3隻をはじめとする攻撃用艦隊が朝鮮半島周辺に配備されている。これも前代未聞のこと。金正恩委員長は「これはアメリカによる侵略行為の前触れに他ならない。われわれにも備えがある。アメリカ本土を火の海にしてみせる」と息巻いている。

         

         こうしたアメリカと北朝鮮による「言葉のミサイル」が本物のミサイル攻撃に結び付く可能性は否定できない。誰もが望まない形で戦争は起きる。そのことを歴史が証明している。実は、そうした突発的な戦争を想定し、国民への避難訓練を実施しているのは北朝鮮だけではない。

         

         日本では報道されていないが、アメリカでは国防総省(ペンタゴン)が11月4日から全米的な戦争避難訓練を実施したばかりである。これは北朝鮮による電磁波攻撃を想定したもので、アメリカ全土で発電所のコンピュータ管理システムが機能マヒに陥った場合や通信網が打撃を受け、インターネットも携帯電話も使えなくなる事態を想定したもの。

         

         こうした演習が行われた背景には、アメリカによる北朝鮮の電磁波兵器(EMP)の能力分析が活かされている。アメリカの核軍事基地は電磁波兵器への防御体制が構築されていると言われるが、民間の電力や通信会社には十分な備えができていない。そのため、万が一、北朝鮮による電磁波攻撃が成功した場合には、アメリカ国民の90%が甚大な被害を受けるとのこと。

         そうしたアメリカ議会での影響評価報告に基づいた演習がペンタゴン主導で実施されているのである。日本は北朝鮮の脅威に対し、アメリカのミサイル防衛システムで国家の安全が保証されていると受け止めているようだが、これでは不十分もいいところである。なぜなら、北朝鮮の脅威は核やミサイルだけではないからだ。電磁波兵器による攻撃に対する備えはまったくできていない。残念ながら、これが日本の実態である。

         

         と同時に更なる警戒が必要なのが火山の噴火であろう。日本でも富士山の噴火の懸念が広がっているが、大半の国民は真剣な備えを講じていない。

        多数の死傷者が出て、戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火があったにもかかわらず、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」状態にあるのが日本人である。

        救難活動の困難性についても改めて課題が浮き彫りになったにもかかわらずだ。地震の予知と同様、火山の噴火も予知は容易でないことが再認識されたのである。しかし、火山の噴火は何も日本に限られたものではない。

         

         日本に近い近隣諸国で活発化している巨大火山の噴火も無視するわけにはいかない。なかでも、北朝鮮と中国の国境にまたがる白頭山(中国名・長白山、高さ2750メートル)の状況は深刻度を増している。今回の北朝鮮の東部地方における避難訓練も白頭山の噴火を想定してのことかも知れない。

        日本ではまだ関心が薄いようだが、この白頭山噴火への対応は緊急を要する課題に他ならない。

         

         なぜなら、わが国への影響が極めて大きいと思われるからである。3000万年もの間噴火を繰り返している白頭山。歴史をひもとけば、約1100年前の平安時代に起こった過去最大の噴火の際には、北海道から東北地方に5-6センチの火山灰が降り注ぎ、わが国の農業は壊滅的被害を被った。なにしろ、現在の分析では、当時の噴火は過去2000年間で世界最大級だったと見なされているほどだ。

         そんな歴史をもつ白頭山で近年、群発地震が立て続きに起きている。また、山麓でのヘビやカエルが逃げ出すなどの異常な行動も話題となっているが、北朝鮮、中国、そして韓国の住民の間では不安の声が高まる一方である。

         例えば、中国の劉嘉麒教授は2005年の「北東アジア火山国際学術シンポジウム」に発表した論文で、「白頭山はアジア大陸周縁部に位置しており、東アジアのプレートとの関連で、太平洋プレートが大陸境界部分で沈降する際に、白頭山地域が隆起させられて火山の噴火が起きる」と解説。

         

         また、東北大学の谷口宏充名誉教授によれば、「白頭山が近い将来、東日本大震災に関連して噴火する可能性がある。その可能性は2019年までに68%、2032年までに99%」とのこと。都市部では火山灰が1センチでも積もれば、陸上交通は麻痺するはずだ。となれば、白頭山の噴火は「今そこにある危機」といっても過言ではない。

         

        以下、次号「第88回」に続く!

         

         

         

         

         

         

            

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