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        世界の最新トレンドとビジネスチャンス  

        2018/02/02発行

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        98

         

         間近に迫る自動車革命:自動走行車から空飛ぶ無人タクシーまで(後編)

         

        浜田和幸

         

        ウェブで読む:http://foomii.com/00096/2018012610000043799

        EPUBダウンロード:http://foomii.com/00096-44351.epub

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        いずれにせよ、ここ数年、自動車の未来を巡ってはさまざまな研究開発の動きが活発化している。既に述べたように、実用化の目途が立っているのが自動走行自動車であろう。「ディープラーニング」に力を入れるグーグルが先鞭をつけた形で、GPSとスマートフォンの機能を活用することで、運転手が操縦しなくとも、目的地まで自動車を送り届けてくれるというわけだ。

         

        飲酒運転や疲労や不注意による事故も防ぐことができる。

        また、渋滞情報を活用し、目的地まで最速で到着できるルートを車が自動的に判断してくれる。

        まさに「ドライバーレス(運転手不要)カー」の登場に他ならない。これまでは夢の世界の話と受け止められていたが、ここにきてにわかに現実味を帯びてきた。

         

        例えば、2016年4月、スウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」が100台の自動走行車を使い、中国で安全走行の実験を始めると発表し、世界を驚かせた。

        この自動走行技術には中国も以前から関心を寄せており、公道での走行実験を重ねることで、安全運転の環境整備をスウェーデンのメーカーと協力して進めるとの意向を固めたのである。

        同社のサムエルソン社長曰く「自動走行車には多様なメリットを生み出す力がある」。

         

        実は、ボルボは2010年に中国の自動車メーカー「吉利(ジーリー)」に買収されている。ボルボは今や中国の会社なのである。

        経営不振に陥ったボルボはスウェーデン政府に救済を求めたが、すげなく拒否された。フォードの傘下に入ったボルボだが、中国の自動車メーカーに買収され、中国企業として復活の機会をうかがってきたのである。

         

        そのため中国とすれば、自国企業となったボルボの存在意義を高め、国際競争力を強化する起死回生を狙って、国内での走行実験にゴーサインを出したわけだ。

        中国の高速道路の総延長距離はアメリカを抜いて、今や世界最長である。冒頭に述べたが、急速なモータリゼーションの影響で、国内の主要都市では慢性的な交通渋滞と公害問題が深刻化している。こうした問題の緩和と事故防止に役立つという観点から、中国政府は早期の自動走行車の導入に強い関心を抱いてきたようだ。

        実は、中国だけではなくアジアの国々の間で、近年、この自動走行に関する前向きな対応が急ピッチで進んできている。

        この分野で最前線を走っていると自負するシンガポールでは、

        2016年から世界初の自動走行タクシーが営業を始めることになった。これまでも南洋工科大学が中心となり、シンガポールでは自動運転のバスが限定的なルートだが、実験走行を成功裏に重ねてきた。

         

        前述のボルボの担当者によれば、「2020年までに中国での走行実験において、事故やトラブルが発生しない限り、中国が自動運転車の世界最大のマーケットになる」と予測しているとのこと。

        日産やキャデラックも「2020年までには自動走行車を市場に投入する」と積極的な姿勢を見せている。

        業界の間では「2030年までには日常生活に自動運転車は欠かせない存在になっているはずだ」というのがもっぱらの予測だ。

         

        一方、この自動走行の技術はタクシーや一般の自動車に限らず、トラックなどの輸送手段にも応用されることが期待されている。

        すでにヨーロッパでは、12社のトラック・メーカが協力し、ヨーロッパ横断の無人トラック輸送実験が実施されているのである。

         

        2016年の年初からオランダのロッテルダムをベースに、複数の国をまたがるルートで、無人のトラック輸送の実験が繰り返され、数千キロを障害なく走り抜けるトラックの安全性が実証されている。こうした実験を通じて、オランダ政府が熱心に主導権を握ろうとしているのだが、自動走行の先駆者ともいえる「グーグル」や中国の「百度(バイドゥ)」などが最新鋭の通信技術を提供することで実験を支えている点が注目に値しよう。

         

        トラック輸送は物流の要(かなめ)となっているが、国際競争が年々激化する一方となっている。そのため、燃料費を節約するとともに、ドライバーの人件費を抑えることが至上命題となってきた。自動走行のトラックがスピーディかつ安全に目的地に物資を輸送することができれば、「燃料費の15%の節約を達成できる」との試算もあり、輸送業界からは期待が高まる。

        人為的な事故が減少することにもなるため、交通渋滞の解消にも役立ち、人件費の削減にも効果が期待されている。

         

        世界的な物流企業であるDHLやユニレバーなども積極的にこの実験プロジェクトに参加しているのも、こうした切羽詰まった理由があるからだろう。

        現在、ヨーロッパ各国は国内の道路交通に関する規則の改正を進めている。

         

        遅かれ早かれ、自動車、タクシー、バスやトラックに至るまでほとんどの車が自動走行で走る時代になるに違いない。 

        要は、道路上を走る移動手段はすべからく自動運転が可能となる時代が目前に迫っているということだ。

        人が運転から解放されることは交通事故の予防や防止には効果があるだろう。

        しかし、人が運転席にいない自動車であれば、外からのサイバー攻撃があった場合、運転制御がまったく効かないことにもなりかねない。

         

        そうしたリスクへの対策をしっかりと構築しておかねば、自動運転車がテロリストの操る凶器に変身する恐れが現実のものになる。

        空飛ぶ自動車ではなおさらであろう。

        便利さや安全性を追求したはずが、かえって危険性を高めることになってしまっては本末転倒と言わざるを得ない。

         

        人間の判断を過大評価するのは問題だが、過小評価し、全て人工知能やマシンに委ねるのが安全とする考えも、より大きな問題をもたらす可能性がある。

        あくまで人間が主役で、判断を下すのも人間であるとの基本を忘れてはならない。

         

        それこそ人間の知恵が問われるところではなかろうか。

         

        次号「第99回」もどうぞお楽しみに!

          

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        著者:浜田和幸

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