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                           2018/02/09発行

        世界の最新トレンドとビジネスチャンス

        浜田和幸

        第99回

        ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席の共通点:王朝の復活(前編)

         

        ウェブで読む:http://foomii.com/00096/2018020910000044069

        EPUBダウンロード:http://foomii.com/00096-44621.epub

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        このところ、ロシアと中国の急接近が目立つようになった。

        例えば、地球温暖化の影響で、北極周辺の氷が溶けだしたお陰で、アジアとヨーロッパを結ぶ新たな物流ルートとして北極海が注目を集めている。

        現時点では夏場に限られるが、従来の南回りと比べ、2週間ほど輸送時間が短縮されるため、中国にとって北極圏航路はロシアと共同で開発する値打ちがあると判断した模様だ。

        北極海に面するロシアの老朽化した港湾設備の改修を中国が支援し始めた。

         

        他にも、両国が足並みを揃える場面が多々見られる。

        北朝鮮問題への対応をめぐっても、軍事的な対応ではなく、対話を通じた緊張緩和を目指すべきという点でも一致している。

        これは明らかにアメリカへの対抗策であろう。

        実は、プーチン大統領と習近平国家主席は共に60代半ば、同世代である。

        また、自らの努力と才覚で党、政府、軍をほぼ完璧に支配している点も共通している。

         国内的には両国とも経済格差やエネルギー、環境、人権問題などさまざまな課題を抱えているものの、国民からは表向き絶大な支持を保持している。

        いずれも選挙で政権の座を追われるような心配もない。

        2018年3月にはロシアで大統領選挙が予定されているが、プーチンの再選は動かしようがない。

        それゆえ、長期的な国家運営が可能だ。

        ロシアはイスラム国(IS)の台頭という「危機」を逆手に取り、テロとの戦いで主導権を握るなど、動きの遅い欧米をしり目に自国に有利な立場を拡大させてきた。

         

        また、30年余りの改革開放による急成長の結果、GDPで世界第2の経済大国となった中国。

        習近平主席の肝いりでアジア・インフラ投資銀行(AIIB)等を立ち上げ、新興国を中心にインフラ整備に力を入れ、グローバルなスケールでの「仲間作り」に成果を上げ、存在感はゆるぎないものになっている。

        更には、アメリカ国内の高速道路や空港にもチャイナマネーが投入されるようになった。

         

         欧米諸国から人権問題に絡んでの批判を受けても、習近平は「どこ吹く風」と言わんばかりで、ユーモアたっぷりに切り返す。

        曰く「靴が合っているかどうかは、靴を履いている本人しか分からない」。

        厳しい批判にも、中国式の知恵を絡めた自信と迫力で対応する。

         

         プーチン大統領も同様である。

        両人とも「歴史を味方につけ、相手を煙に巻く」といったテクニックを得意技としている。

        発言や演説には必ずといっていいほど、ロシアや中国の歴史に触れる場面があるからだ。

        習近平の場合、建国の父である毛沢東の偉業に触れつつ、革命の歴史を語り、13億人を超える国民の気持ちを奮い立たせるのが常である。

         

         曰く「960万平方キロの広い大地を踏みしめ、中華民族の長期にわたる奮闘によって蓄積された文化的養分を吸い、13億の中国人民が結集し、自らの道を歩む。わが国にはこの上なく深い歴史の底力があり、この上なく強大な前進の原動力を備えている」。

         

         「歴史は最も良い教師だ。1840年のアヘン戦争から1949年の新中国成立までの100余年、中国社会は頻繁に戦火に脅かされ、絶えず戦禍に見舞われた。

        日本の軍国主義が発動した中国侵略戦争だけで中国の軍民に3500万人以上の死傷者を出す惨劇を引き起こした」と、大演説をぶつ。

         

         更に、未来を象徴する「青年」に言及する際には、習近平のトーンは一段と高くなる。「

        夢は学習に始まり、事業の成否は能力で決まる。

        そうした意識を確立し、学習に励んで青春の大航海を乗り切る原動力とし、能力を伸ばして青春の荒波と闘うエネルギーとしなければならない」といった具合である。

         

         数世紀にわたり西欧列強や日本に植民地化され、自然や人的資源を収奪されたという負の歴史を塗り替えるには、中国4000年という他に類を見ない悠久の歴史、言い換えれば、決して「奪われることのない富」を持ちだす手法をフルに活かすのである。

        世界4大文明の発祥の地という「歴史的な武器」を最大限に活用しているわけだ。

        習近平にとっては、歴史を味方につけ、未来を担う青年たちを鼓舞することが、短くとも当を得た演説のキモとなっている。

        同様に、プーチン大統領も国内向けの演説においては「祖国ロシアは過去500年の間、たびたび西欧列強による侵略を受けてきた。この歴史を忘れることはできない」と訴え続ける。

        その上で、民族的偉大さと膨大な天然資源を合わせた「未来の超大国」というイメージを強調することを忘れない。

         

         更なる共通点としては、自信家の象徴ともいえる「演説の短さ」が指摘できる。

        建国記念日や独立記念式典など注目を集める場で、最高指導者として演説する機会の多い2人である。

        しかし、前任者と比べると、演説の長さは概ね半分程度で収める。時には3分の1のこともあるほどだ。

         旧ソ連時代には赤の広場での国家指導者による長演説が名物化していた。

        そのため屈強な衛兵たちでさえ暑さや寒さに耐えられず、次々と転倒したものだ。数時間に及ぶ演説の途中で気を失い、担架で担ぎ出される兵士の姿を何度も目の当たりにしたものだ。

         2015年10月、建国66周年を迎えた中国。

        天安門広場における習近平主席の演説は前任者の胡錦濤の半分ほどの短さだった。

        2013年8月のロシア議会でのプーチン演説は悩ましい少数民族問題に関するものであったが、「イスラム教徒はロシアで暮らす限り、ロシア語を話さねばならない。

        なぜならロシアはロシア人のものだからだ」と簡潔、明瞭なメッセージで、ロシア人の喝さいを得た。

         

         要は、プーチンも習近平も、長々とした演説をぶたなくとも、国民を納得させることができるメッセージ力とコミュニケーション力に自信を持っているのである。

        とはいえ、このような「歴史を味方につける演出」や「短い演説」とはまったく性質を異にする共通点も無視できない。

        それは、両人が受けている国際的な批判という不名誉な共通点である。具体的には、ロシアにおいては、クリミア併合を含むウクライナ問題だ。

        また、中国で言えば、南シナ海での相次ぐ岩礁埋め立てによる軍事基地化やアメリカへのサイバー攻撃が引き金となっている。

        いずれの場合も、国際的なルールを無視した「力による現状変更」として、欧米や日本では評判がすこぶる悪い。

        結果的に、アメリカ主導の経済制裁の対象になり、国際的な不信感が増す原因となっているわけだ。

        ロシアにとっては「ウクライナもシリアも自国の生存に欠かせない資源や不凍港の確保に必要なもの」という論理であろう。

        また、中国には中国の主張がある。

        それゆえ、プーチンも習近平もあらゆる機会をとらえて、反論に余念がない。

        批判に対しては徹底的に反論する。

        たとえ手前勝手な言い訳であったとしてもだ。

        それも共通点といえるだろう。

        以下、次号「第100回」に続く!

          

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        著者:浜田和幸

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