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                                                              2018/03/16発行

        世界の最新トレンドとビジネスチャンス

         

        第104回

        米朝首脳会談合意の裏で進むトランプ大統領と金正恩委員長の

        利権交渉(前編)

         

        浜田和幸

         

        ウェブで読む:http://foomii.com/00096/2018030210000044486

        EPUBダウンロード:http://foomii.com/00096-45028.epub

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         朝鮮半島をめぐる動きが慌ただしさを増している。この1年あまり、「ロケットマン」とか「老いぼれのほら吹き」といった「言葉のミサイル」を撃ち合っていた金正恩委員長とトランプ大統領が5月末までに首脳会談を開くことに合意した。その前には南北首脳会談も開催されることになった。これら一連の首脳会談の結果、朝鮮半島の非核化が実現し、アジアの安定と繁栄に結び付けば、確かにめでたい限りである。

         

         なぜなら、つい最近まで「平昌オリンピック・パラリンピックが終われば、アメリカによる先制攻撃もありうる」との観測が広がり、「場合によっては、第3次世界大戦につながる」との恐れも指摘されていたからだ。「6月には開戦の火ぶたが切って落とされる」といった予測も出回っていた。しかし、相次ぐ首脳会談の合意で、当面、そうした危機は回避されることになった。韓国は「文在寅大統領のオリンピック平和外交のお陰だ」と言い、アメリカは「トランプ大統領が発動した経済制裁の効果だ」と、いずれも自画自賛のオンパレードではあるが。

         

         確かに、北朝鮮は中国からも制裁を受け、国内経済は危うい状況に陥っている。ガソリンの配給も滞り、食糧不足が懸念されるという。「本年10月には外貨が底を付く」ともいわれるほどである。しかし、核保有国としてアメリカと対等に交渉できる立場を得ることで体制維持を図ろうとしているのが北朝鮮だ。アメリカとしても金正恩政権が大陸間弾道弾(ICBM)を完成させる前に北朝鮮の脅威を排除したいと考えたに違いない。

         

         それにしても、突然の歩み寄りである。米朝による「頭越し」合意に安倍首相も真っ青になったという。そのため、急きょ、4月には訪米し、トランプ大統領と今後の対朝鮮政策のすり合わせをすることに。と同時に、日朝首脳会談も模索することになった。とはいえ、森友学園問題が急展開を遂げ、財務省による公文書改ざんが明らかになったため、安倍政権は北朝鮮問題どころではなくなっている。この前代未聞の不祥事をうまく収められなければ、安倍政権も命運が尽きてしまうだろう。

         

         実は、アメリカのCIAは韓国の国家情報院(元KCIA)と連携し、北朝鮮とのパイプ作りに水面下で動いてきた。残念ながら、日本には一切報告はなされなかった。韓国とすれば、将来の南北統一国家樹立に向け、アメリカの理解と支持を得ながら、隠密行動を重ねてきたのである。アメリカからも韓国からも距離を置かれているのが日本といえよう。

         

         加えていえば、アメリカを対北融和になびかせる上で、トランプ大統領の存在は大きかったのであろう。なぜなら、ロシアによる大統領選挙への介入疑惑や度重なる女性スキャンダル、そして娘婿のクシュナー氏の不動産利権問題などで苦しい立場に追い込まれているトランプ大統領ゆえに、「付け入るチャンスあり」と判断されたに違いない。来る11月の中間選挙はもちろん、2年後の大統領選挙において勝利を確実にするため、外交面で起死回生に打って出る必要性に迫られているとの分析がなされたようだ。その分析に従い、巧みに餌をちらつかせたのが金正恩である。実に強かといえよう。

         

         今回の米朝会談が成功し、朝鮮半島の非核化が実現すれば、トランプ大統領はノーベル平和賞に値すると目論んでいるようだ。実際、ノーベル平和賞の受賞に向けて、関係先に根回しを始めたといわれる。北朝鮮との対話や融和を模索していたティラーソン国務長官を突然解任したトランプ大統領。現職の国務長官の首切りを本人に伝える前にSNSで発表するという仕打ちはアメリカ史上初のこと。

         

         同じく、北朝鮮とは武力ではなく交渉を優先すべきとの考えを持つビクター・チャ博士の駐韓大使任命をあっという間に取り下げてしまったのもトランプ大統領である。こうした一連の決定は国務省の存在価値を否定するもの。いずれも北朝鮮との首脳会談という成果を独り占めするためとしか思えない。

         

         しかも、「ディールの天才」を自称するトランプ氏にとって、ピョンヤンからは抗いがたい見返りが提示された模様である。それこそ、「地下資源の開発権」という北朝鮮の隠し玉に他ならない。

         

         かつては「北朝鮮にはイラクと違って、めぼしい資源は何もない」とされてきた。しかし徐々に北朝鮮がレアメタルの宝庫であることが判明。例えばタングステン。これは超硬材の切削工具に使われ、軍需産業には欠かせない素材であるが、世界の埋蔵量のほぼ半分が北朝鮮にあるとされる。

         

         また、合金に使われるアルミニウムやマグネサイト、潤滑油や電子基盤の材料に使われるモリブデンなども、北朝鮮には大量に眠っているようだ。それら未開発の地下資源の見積もり総額は7兆ドルを超える。

         

         実は、全米鉱山協会がロックフェラー財団の資金提供を受け、現地調査を行った上で、5億ドルを支払い北朝鮮の鉱山の試掘権を既に入手している。当面の核問題が決着し、米朝の平和条約が締結されることになれば、すぐにでも試掘を始めたいという。トランプ大統領とすれば、莫大な利権を手に入れる千載一遇のビジネスチャンスである。

         

         意外に思われようが、金正恩委員長と文在寅大統領は密かに手を握っており、トランプ大統領を篭絡する手筈も虎視眈々と狙っているのである。見た目は大違いだが、二人とも同じ朝鮮族のDNAを引き継いでいることを忘れてはならない。そこに利権ディールに目ざといトランプ大統領が加わることになれば、日本は立つ瀬がないだろう。この危機的状況を逆転させる手立てはあるのだろうか。

         

         いずれにせよ、アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮に対し「かつてないような炎と怒りをぶつける」とか「臨戦態勢にある」など強硬姿勢を示していたが、実態は伴っていなかった。その都度、内外の株価は上下し、避難訓練に拍車がかかっただけである。

         

         そもそも、アメリカ軍は北朝鮮と本気で戦争に臨むような考えはなかったに違いない。毎年恒例の米韓合同軍事演習にしても、勇ましい名前が付けられているものの、ルーティーン化したものに過ぎない。その意味では、トランプ大統領による「臨戦態勢」発言は口先だけの実態の伴わないものであった。

         

        以下、次号「第105回」に続く!

         

         

                         

          

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